第1部 UVハードコート用アクリル樹脂の設計と各種機能性
(2019年4月16日 10:30〜12:30)
東亞合成 株式会社 名古屋工場 技術開発部 佐内 康之 氏
ハードコートが施される基材の薄膜化に伴い、「硬さ」だけではなく、硬化収縮の低減、基材の折り曲げや変形への追従性、多様なプラスチック基材に対する密着性が要求されており、既存の多官能アクリレートだけでは所望の性能が得られない用途が増えてきている。また、ハードコート表面にもさまざまな機能が求められるようになってきている。
本セミナーでは、ハードコート用UV硬化材料の基本特性、基材の反りや変形をもたらす要因と対策を中心に述べる。
- はじめに
- 一般的なUV硬化ハードコート材料の種類と特徴
- 基材に反りや変形をもたらす要因
- ハードコート用モノマー・オリゴマーへの機能性付与
- 高耐候性ハードコート用モノマー・オリゴマー
- 硬度と柔軟性を両立したモノマー・オリゴマー
- 基材密着性良好なハードコート用モノマー・オリゴマー
- 防曇ハードコート用モノマー・オリゴマー
- おわりに
第2部 ハードコート用UV硬化樹脂の特長と応用展開 大成ファインケミカル 株式会社
(2019年4月16日 13:15〜14:45)
今日、表示パネル表面には、防眩、反射防止、帯電防止といった高度な機能を併せもつUVハードコートされた各種フィルムが装備されている。また、成型可能なフィルムにハードコート処理を施した伸びるハードコートの需要も高まっている。UVモノマー、オリゴマーは硬化による収縮が大きい為基材への密着不良及びフィルムの変形を引き起こしてしまう課題があり、その課題を解決するためにUV硬化型アクリル樹脂の用途展開の可能性がますます広くなってきている。
本講演では、UV硬化型アクリル樹脂の合成法や特長及びその物性の応用展開について紹介する。
- UV硬化技術
- UV硬化の目的
- 使用用途
- UV硬化型モノマー、オリゴマー
- 種類
- 特長
- UV硬化型アクリル樹脂の合成
- ラジカル重合の合成例
- マクロモノマーの合成例
- UV硬化型アクリル樹脂の合成
- UV硬化型アクリル樹脂の設計の幅
- UV硬化型アクリルウレタン樹脂の設計
- UV硬化型アクリル樹脂の性能、評価
- 硬度、タックフリー性、伸度
- デュアルキュアの例
- 低収縮による低カール化
- 耐SW性を向上させた例
- 伸びるハードコートの設計処方
- 加飾フィルム、及び光学フィルム等への応用展開
- 機能性UV硬化型アクリル樹脂の設計
- 高屈折率、撥水性、帯電防止
第3部 UV硬化型ハイブリッドハードコート材の設計、高機能化と特性評価
(2019年4月16日 15:00〜17:00)
ハードコート材料は、電子材料、自動車部材やディスプレイ材料の表面保護、ガラス代替材料や三次元加飾成型材料など幅広い分野で使用され、重要な工業材料となっている。また、各種用途に適した機能化が求められ、高機能ハードコート材の開発が盛んに行われている。特に近年、有機 – 無機ハイブリッド材料をベースにしたハイブリッドハードコート材が主要なハードコート材として種々の用途で使用されている。
ここでは、ハードコート材の概要、開発の基本的な考え方 (開発方針) および材料設計について概説し、代表的なハードコート材であるUV硬化型ハードコート材の調製法、ハイブリッド化技術、高機能化技術および特性評価について分かりやすく説明する。
- ハードコート材の概要と特徴
- 有機ハードコート材
- 無機ハードコート材
- 有機 – 無機ハイブリッドハードコート材
- 高性能・高機能ハードコート材の開発
- ハードコート材の要求特性と応用分野
- ハードコート材の開発方針
- ハイブリッドハードコート材の開発
- ハイブリッドハードコート材の材料設計
- UV硬化型アクリル系ハイブリッドハードコート材の開発
- ハイブリッドハードコート材における相反物性
- UV硬化型アクリル系ハイブリッドハードコート材の構成成分
- ラジカル重合とカチオン重合の比較
- ハイブリッドハードコート材の原料と特徴
- ハイブリッドハードコート材の調製法
- ハイブリッドハードコート材の高機能化
- 透明性
- 耐熱性
- 基材への接着・密着性 – 基材表面の前処理による接着・密着性の向上
- 柔軟性・延伸性 (耐衝撃性)
- カール・低収縮性
- 耐摩耗性
- 屈折率
- 防曇・防汚性 (親水・撥水性)
- 耐指紋性 (親油・撥油性)
- 帯電防止性
- 反射防止膜
- ハードコート材の特性評価
- 膜厚
- 表面硬度
- 密着・接着性
- 耐熱性
- 透明性
- 耐摩耗性・耐擦傷性
- 耐候性
- 柔軟性 (耐衝撃性)
- 参考図書