第1部 光学樹脂における複屈折現象とゼロ複屈折に向けた設計
(10:30~12:10)
光学樹脂の複屈折の起源と分子構造の関係について述べ、複屈折を示さないゼロ複屈折高分子の設計方法について解説する、さらに、現状の課題とその解決方法について述べる。
- 高分子の屈折率と複屈折の基礎
- 屈折率の微視的理解~分極率とローレンツ・ローレンツの式
- 配向複屈折と固有複屈折~配向複屈折の起源と分子構造との関係
- 応力光学則~ゴム状物質の複屈折と応力
- 光学樹脂の複屈折
- 高分子ガラスの複屈折~光弾性則と複屈折の緩和
- 複屈折パラメーターと分子構造~複屈折マップの導入とその見方
- 種々の光学樹脂の特徴~ベンゼン環の効果
- ゼロ複屈折高分子の分子設計
- 共重合法による複屈折パラメーターの制御~複屈折マップによる設計
- 緩和と温度の効果~具体例と複屈折の非理想的振る舞い
- 複屈折の波長依存性~波長依存性の起源とその制御
- 課題と展望
第2部 透明ポリマーの屈折率制御、高透明化
(13:00〜14:40)
- 透明ポリマーの基礎
- 透明になるポリマーとは
- 非晶構造とガラス状態
- 屈折率制御
- 屈折率と分子構造
- 屈折率の波長依存性
- 屈折率の温度依存性
- 屈折率の制御、高屈折率化
- 透明ポリマーの屈折率予測
- 高透明化
- 光吸収損失
- 電子遷移吸収
- 原子振動吸収
- ポリマーの分子構造と光吸収損失
- 光吸収損失の低減化
- 光散乱損失
- 光散乱法による高次構造解析
- 屈折率不均一構造と光散乱損失
- 高透明化のための高次構造制御
- ポリマーの分子構造と光散乱損失
- 光散乱損失の低減化
- 高透明化
- 高透明ポリマーに要求される分子特性
- 高透明化のための分子設計
- 透明ポリマーの透明性予測
- 透明ポリマーの光物性値予測システム
- 透明ポリマーの屈折率予測システム
- 透明ポリマーの透明性予測システム
第3部 無機フィラーの添加による透明高分子材料の光学特性の改質
(14:50〜16:30)
光学用途に用いられる透明樹脂の特性向上・新機能付与を実現する技術の一つに、異なる屈折率を有するナノサイズの無機フィラーとして樹脂中に分散させる複合化技術がある。
一般的な研究開発はいかに分散性を向上させてフィラーの高充填化を達成するかに目が向けられているが、複合材料としての微構造を精度良く制御することができれば、透明性を維持した状態での無機ナノフィラーとの複合化が達成され、大きな屈折率制御能を付与することが可能となる。
本講演では、無機ナノ粒子との複合化によるアクリル透明樹脂の屈折率制御を中心に、導電性等の機能付与にも取り組んでいる講演者の研究事例として、通常の無機フィラーとの複合化手法として用いられるブレンド技術とは大きく異なる、微粒子集積法による無機ナノ粒子の高精度配列制御型のアクリル樹脂系透明複合材料について解説する。
- 透明樹脂と無機ナノフィラーの複合化技術としての高分子ラテックスを用いた微粒子集積法
- 高分子ラテックスの造膜特性
- 異種コロイドナノ粒子水分散系の安定性
- 無機/アクリル樹脂系ナノ複合材料の透明性・屈折率と微構造の関係 (複合材料系各論)
- ジルコニア/アクリル樹脂系
- 酸化スズ/アクリル樹脂系
- シリカ/アクリル樹脂系
- チタニア/アクリル樹脂系
- ITO (インジウムドープ酸化スズ) /アクリル樹脂系
- 針状ATO (アンチモンドープ酸化スズ) /アクリル樹脂系
- 無機/アクリル樹脂系ナノ複合材料の微構造と構造発色
- 屈折率分布型積層透明膜への展開