第1部 視線計測によるヘッドアップディスプレイの安全性評価
(2019年3月28日 10:30〜12:10)
ヘッドアップディスプレイは、自動車の運転支援・自動運転においての活用が期待されている。前方視界に近い個所に画像を表示できる利点はあるが、運転者の前方視界注視を妨げる危険性もある。カーナビ、信号および標識情報を提示した時の安全性を、視線計測を通じて評価した事例を紹介する。
- 視線計測によるカーナビゲーションディスプレイの安全性評価
- 車内で信号情報を表示した時の運転行動の変化と視線計測による安全性評価
- 車内での標識情報の表示法による運転行動と視線の動きの変化
第2部 映像の奥行き感、映像酔いをもたらす要因と運転行動を向上させるための視覚情報制御
(2019年3月28日 13:00〜14:40)
- はじめに
- ヒトの奥行き知覚の特性とそのメカニズム
- 3次元視で脳が解くべき問題
- さまざまな奥行き知覚の手がかり
- 両眼立体視
- 次元映像提示におけるスケーリングの問題
- 3D映像がなぜ酔いや疲労を生じやすいのか?
- 研究事例紹介
- HMDや大型スクリーンを用いた映像酔いの研究事例
- オプティカルフローの操作による運転行動の制御に関する研究事例
- まとめ
第3部 生理光学の立場からみたヘッドアップディスプレイの安全性
(2019年3月28日 14:50〜16:30)
自動車用ヘッドアップディスプレイ (headupdisplay:HUD) は、自動車運転中の正面に近い位置かつ遠方に情報を提示できることから、注視対象に向ける眼球運動量が少なく、かつ眼の焦点調節に要する時間を短縮できる。したがって、視認時間が短くなり、交通事故や眼疲労の低減が期待できる。 本講演では、前半にHUDの生理学的安全性を述べ、後半は、眼光学の基礎知識、加齢に伴う視覚変化に関する知識、生体計測技術、ユーザビリティのノウハウなどを活かし、視覚的ニーズに応じるための理想的なデザインである「視覚中心設計」について、事例とともに紹介する。以前より本セミナーを担当しているが、新しい点として、生理光学の基礎を多めに追記する。
- 生理光学の観点からヘッドアップディスプレイが求められる背景
- ヘッドアップディスプレイ使用時の生理光学
- 瞳孔と調節、眼球運動、視力、視野の基礎
- ヘッドアップディスプレイの視線と視認時間
- ヘッドアップディスプレイの虚像提示位置と調節・瞳孔反応
- ヘッドアップディスプレイに関する既報
- 生理的観点からヘッドアップディスレイの安全性と今後求められるもの
- 視覚中心設計からHUDを考える
- 正面に近く、焦点調節が少ない
- 適度な眼球収差
- 加齢変化を考慮する
- 対象物が明るく、大きく、鮮明
- 無意識を意識する