表面・界面張力は何故生じ、どのように測ればよいのか?表面・界面張力が関わる身近な現象にはどのようなものがあるのか?何かを塗る時に、ムラができたり、スジが入ったり、カスレたりするのは何故か?などについて概説します。
いかなる物質も表面・界面があるので、その性質を知らずしてマテリアルデザインはできません。基礎から表面・界面科学を理解することで、例えば、ある液体がある固体を濡らすか濡らさないかはどのようにして決まるのか?なぜ過飽和や過冷却といった熱力学的準安定状態が発生するのか?オストワルド熟成はなぜ起こるのか?どうして雪の結晶のような比表面積の大きいフィンガリング構造が自発的に成長するのか?などといったことが理解できるようになり、マテリアルデザインにおいて非常に有効であるはずです。
- 表面・界面張力とは?
- 表面・界面張力は、なぜ発生する?
- 表面・界面張力の2つの意味
(単位長さを引っ張る力 (N/m) と単位面積当たりのエネルギー (J/m2) )
- 表面・界面張力の測定方法
- 水に界面活性剤を溶解させると、なぜ表面・界面張力は低下する?
- 界面活性剤の表面・界面張力低下能について、時々見受けられるウソの説明
- 表面・界面張力が関わる現象
- ある液体がある固体を濡らすか濡らさないかは、どのようにして決まる?
- 液体の固体表面上における接触角
(固体表面が平滑な場合と平滑でない場合)
- 表面・界面張力によりもたらされるラプラス圧
- ラプラス圧によりもたらされる化学ポテンシャルの形態依存性
- 過飽和や過冷却といった熱力学的準安定状態は、なぜ発生する?
- オストワルド熟成は、なぜ起こる?
- 塗装の際の塗りムラ、スジ、カスレが起こる原因
- 1977年ノーベル化学賞の対象となった「散逸構造:非平衡系の自己組織化」とは?
- 生命体に発生するバイオリズムと塗りムラ、スジ、カスレの意外な関係
- 非平衡場における界面形状ゆらぎの成長によるフィンガリング現象
- 非平衡場における自発的な表面パターン形成の有効利用
- 非平衡場における自発的な表面パターン形成の抑制とその工業的価値
コーティング液の塗布性に影響を与える材料技術をまず明らかにする。特に液の表面張力をコントロールする添加剤について、その構造と機能発現のメカニズムを解説する。加えて、塗布後の膜特性への影響を実例を交えて紹介したい。近年開発された表面張力を上げる添加剤が、塗布プロセスと膜特性をどのように向上させるかを示す。
- どのように表面張力を測定するか?また測定の注意点。
- 表面張力とコーティング液の塗布性の関連性
- 表面調整剤の構造と特徴
- 基本となるポリシロキサン系及びポリアクリレート系表面調整剤
- マクロマーを用いた新しい表面調整剤
- 期待される効果と使用時の注意点
- どのような膜特性が得られるか?
- 疎水性膜
- 親水性膜
- 平滑性の向上
- 平滑性の測定方法