ゾル-ゲル法は、大掛かりな装置を必要としない簡便な材料合成法のひとつです。特に金属酸化物薄膜の作製、つまりコーティングにおいては、安定なゾルさえ調製できれば、それを基板に塗布して熱処理するだけでナノスケールの厚さのコーティングができます。また、ゾル-ゲル法においては、ゾル中のコロイド粒子の構造や形態、それらの相互作用などにより、合成される材料のナノ構造が制御できます。つまり、ゾル-ゲル法による材料合成においては、ゾルの調製法を深く理解することも重要となります。
本セミナーでは、ゾル-ゲル法で一般的に用いられるゾルの調製法をはじめとするゾル-ゲル法の基礎や、ゾル-ゲル法による薄膜作製法を分かりやすく解説します。また、コーティングの低環境負荷を目指した水系ゾルの調製法なども紹介します。さらに、作製した薄膜の特性を、電子デバイスなどの作製例などを交えて紹介します。
- ゾル-ゲル法の基礎 (シリカ系を中心に)
- ゾル-ゲル法とは
- ゾル-ゲル法における化学反応とそれに影響する因子
- キャラクタリゼーション法
- その他 (ハイブリッド材料やメソポーラス材料など)
- シリカ系以外の金属酸化物のゾル-ゲル法による合成
- ゾルの調製法の基礎
- 安定化剤 (有機添加物) と金属成分の化学反応
- ゾルの安定性や溶存種の構造について
- その他 (様々なゾルの合成例や新しい安定化剤の探索など)
- ゾル-ゲル法による薄膜作製 (コーティング) の基礎
- ゾル-ゲル法に用いられるコーティング法
- 薄膜の厚さの制御法と評価法
- 薄膜の微構造に影響する因子
- ゾル-ゲル法により作製した薄膜電子デバイス
- ガスセンサ
- 圧電性厚膜
- 導電性薄膜 (ITOなど)
- 電界効果型薄膜トランジスタ
- ゾル-ゲル法によるコーティングの環境負荷低減
- コーティング溶液としての水系ゾル (コロイド水溶液) の調製 -
(酸化チタン薄膜作製用コーティング溶液を中心に)
- 水溶性チタン錯体について
- コロイド粒子の表面修飾や解膠
- フレーク状チタン酸ナノシートのコロイド水溶液
- ゾル-ゲル法における技術を他の溶液プロセスによる材料合成へ応用した例
- ゼオライト合成 (水熱合成)
- 金属酸化物の様々なナノ材料の合成 (水熱合成など)
- 金属酸ナノシートの新規合成法
- まとめ
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