自然然界において微生物は個々の細胞として生息しているだけではなく、固体表面に付着して、集団構造であるバイオフィルムを形成しています。バイオフィルムは水処理・食品分野で有効活用されている一方で、感染や腐食といった弊害を及ぼしています。一旦細菌がバイオフィルムを作り出すとその除去が非常に困難であるため、その除去法、ならびに形成制御法が今日求められています。
本講演ではバイオフィルムの基礎的知見から最近の研究動向、さらにはその評価方法や除去方法までを紹介します。
- バイオフィルムの基礎
- バイオフィルムの歴史
- バイオフィルムの特性
- バイオフィルムの種類
- 浮遊細菌とバイオフィルム細菌の違い
- バイオフィルムの構成成分
- バイオフィルムの形成機構
- バイオフィルムにおける情報伝達機構
- バイオフィルム内における細菌の薬剤耐性
- 身の回りのバイオフィルム ~各種事例と菌種・特性など~
- バイオフィルムの人体への影響
- 食品とバイオフィルム
- 食品発酵
- 食品に付着する病原菌
- 食品を腐敗させる細菌
- 水処理とバイオフィルム
- バイオフィルムによる金属腐食
- バイオフィルムの除去と形成防止・対策
~各手法と作用機序・効果等について~
- 物理学的方法
- 化学的方法
- 生物学的方法
- バイオフィルムの評価・解析と研究アプローチ
- バイオフィルムの菌種同定法
- バイオフィルムの構成成分分析法
- バイオフィルムの形成・除去の評価
- バイオフィルム形成法
- バイオフィルムの定量法
- バイオフィルムの観察機器
- 共焦点レーザー顕微鏡
- 電子顕微鏡
- 原子間力顕微鏡 など
- バイオフィルムを形成する細菌の発現解析
- バイオフィルム研究の現在と展望