携帯電話も含むスマホ用カメラは5つの世代に分類できる。市場の拡大にともない他の製品への影響力を増し、第3世代の登場によりCompact DCSは消滅の危機に陥っている。さらにこの世代で開発されたImage Sensorの高感度技術BSIは車載用にも最適であり早々に採用された。そしてComputational photography技術を駆使した高画質・高機能を実現した第4世代以降は一眼レフ存亡にも多大な影響を与え始めている。また、この世代で開発されたImage Sensorの高感度技術Binningはわずか2年の遅れで車載用にも採用が決まった。一方、この世代のディスプレイではスマホの薄型化、省電力化、視認性向上を求めAMOLEDの採用が本格化した。スマホで実績を積み信頼性を高めた結果、良好な視認性、高コントラストにより車載用でもAMOLED採用が検討され始めている。
そして第5世代のスマホではTriple Camera、AI機能搭載により一眼レフを凌駕する高画質、高性能を実現するとともに、P – OLEDの採用が始まり、折り畳み式、曲面ディスプレイが新たなトレンドになりつつある。自由曲面へのディスプレイ配置はADASや自動運転の安全性確保・精度向上で大きなメリットがあり、今後車載用でも採用が拡大すると見込まれる。このように、車載用カメラ、ディスプレイに対するスマホ用の影響力は日に日に増している。
本講演では、スマホ用カメラの5つの世代とは何か、そこで開発されたカメラ、ディスプレイ技術などが車載用にどのように展開されているのか、そしてその流れが今後IoT社会にどのように波及していくのか解説する。
- カメラ機能が搭載される製品の市場動向
- カメラ機能が搭載される代表的製品と市場動向
- 携帯電話~スマホ、搭載カメラの市場動向
- 携帯電話~スマホ、搭載カメラの5つの世代と他の製品に与えた影響
- 自動運転、IoTにも生かせるスマホ成功の3つのKey Word
- 「写メール」が普及のきっかけとなった「第一世代」カメラ
- スマホに搭載、カメラ機能と認識された「第二世代」
- Compact DSCを消滅の危機に追い詰めた「第三世代」
- 車載用にも採用、Image Sensorの高感度を実現した「BSI」技術
- 「スマホの薄型化」実現~静かに始まったAMOLEDの採用
- 一眼レフ画質を目指すDual CameraによるComputing Photography技術搭載「第四世代」
- 車載用にも展開、Image Sensor高感度技術「Binning」
- Flagship ModelでAMOLEDの本格採用始まる
- Multi Camera/ AI機能/ Interaction Design、一眼レフ凌駕を目指す「第五世代」
- ADAS,自動運転でも主流となるTriple Camera
- ADAS,自動運転にも最適、Flexible Displayが実現可能なP – OLEDの採用始まる
- 自動運転を加速する自動車、搭載カメラの技術・市場動向
- ADAS, Telematicsの動向
- 「限界費用ZERO」に向かう視座江エネルギーの活用、350kW高速充電機設置開始、加速されるEV普及
- 自動運転の分類、市場動向、中国の躍進
- ADAS機能を実現するカメラの数々
- 車載カメラの市場動向
- WLO採用による車載カメラの小型化技術
- 車載カメラに要求される課題を解決するイメージセンサの様々な機能
- Driver Monitorには必須 Global Shutter機能
- 車載用では必須機能、Real Time HDR、LEDフリッカ – 抑制機能
- 車載用でDe facto化に向け邁進、0.005lx超高感度イメージセンサ
- SoCの能力向上に伴い高解像度を求め多画素化・Cell Size縮小始まる
- FIRカメラを本格化させる素材・製法・仕様の低価格化技術
- ADAS,自動運転の精度向上への貢献が期待される様々なNIR技術
- IoT本格化に向けた業界動向、IoT製品のディスプレイの適正解像度とは
- Home IoTの本命に躍り出たSmart Speaker (Advanced Interaction) 、カメラ搭載開始
- IoT社会に向けた半導体業界再編成
- AR/ VR/ MR市場拡大、HMD用カメラで重要となる機能
- 各種製品用ディスプレイの適正解像度とは
- 共通技術で実現される次世代Image Sensorとディスプレイ
- IoT本格化を実現する「Trillion Sensor」、WLOカメラが最適
- おわりに
~IoT社会は、「カメラの普遍化が人工知能の進化を促す」現在版『Cambrian explosion』である