第1部
排水処理用膜の開発・技術動向と国内外の排水処理市場への適用
(10:30~12:00)
世界的に水需要の増加と共に水不足が年々深刻になっている。そのため海水淡水化やかん水河川水の利用、下排水の脱塩再利用が増加している。内陸部などはこれまでかん水河川水の脱塩再利用が多かったが近年排水再利用が盛んになっている。
一般的な脱塩方法としてRO膜法が多く用いられる。しかし排水再利用に用いた場合従来のRO膜では性能低下が大きいことが問題であった。本セミナーではこの排水再利用に適したRO膜開発の取り組みや、実際に利用されているプラントついて解説する。
- 現在の水需要とトレンド
- 淡水化方法、RO膜法
- 排水市場規模と今後の市場成長予測
- 低汚染RO膜開発の歩み
- 排水再利用プラント紹介
- その他トピックス
- 質疑応答・名刺交換
第2部
高分子多孔膜の微細構造制御と膜ファウリングの低減に向けた取り組み
(12:45~14:15)
世界の広範な地域での水不足が予測されており、20世紀は石油の時代であったのに対し、21世紀は水の時代といわれている。多孔膜を用いた水処理は、そのような水不足問題の解決に貢献する技術として近年特に注目を集めている。
ここではまず、水処理に用いられる多孔膜の製膜方法とその孔径の制御方法について解説する。また膜分離操作中に性能が低下する膜ファウリングは、現在膜工学における最も重大な問題である。
本セミナーでは、そのような膜ファウリングの低減方法について、主に講演者の研究室で得られた結果を紹介する。
- 相分離を利用した多孔構造膜の作製方法
- 熱誘起相分離法 (TIPS法) による多孔膜の作製
- 非溶媒誘起相分離法による多孔膜の作製
- Layer-by-layer法を用いたNF膜の作製
- オーガニックファウリングの低減
- 高分子ブレンドによるPVDF膜の親水性化とファウリング特性評価
- 膜表面コーティングによるPVDF膜の親水性化とファウリング特性評価
- 異形中空糸膜の作製とファウリング特性評価
- バイファウリングの低減
- 銀ナノ粒子の導入とバイオファウリング特性評価
- 4級アンモニウム塩基の導入とバイオファウリング特性評価
- 両性イオン基の導入とバイオファウリング特性評価
- 抗菌性酵素固定化膜の作製とバイオファウリング特性評価
第3部
排水処理へのナノファイバーの利用と高機能化
(14:30~16:00)
一般的な膜ろ過の話に続いて,ナノファイバーを用いたろ過について説明する。アプリケーションとしては水処理用ならびに工業用フィルターについて紹介する。
- ナノファイバーの種類
- ナノファイバーの作り方
- ナノファイバー作製に適したポリマー
- ナノファイバーフィルターとミリポアフィルターの比較
- ナノファイバーフィルターの用途
- フィルターの網目サイズの測定方法
- ナノファイバーによる回収可能な廃液の種類
- ナノファイバーとミリポアフィルターの目詰まりの比較
- ナノファイバーとミリポアフィルターの耐久性の比較
- ナノファイバーとミリポアフィルターの処理速度の比較
- 質疑応答・名刺交換