紙の構造・物性・評価および設計のポイント

昨今、デジタル化が急速に進み、紙媒体への出力が減っているため、紙媒体の使用量が大きく減少しております。一方、マイクロプラスチックのような環境問題から、プラスチック製品の代替として紙媒体が取り上げられてきており、紙媒体の復活、を期待したいところです。 　紙は、新聞、雑誌、コミック、書籍、広告物、筆記具、ハガキなど、日常生活において非常に幅広く、多くの方々に利用されています。しかし、紙の基本的な情報はあまり知られていないものと推測されます。紙は「生き物」と言われるように、意外と構造や物性において複雑なものとなっていますので、紙を取り扱う上で、紙の構造や物性などを知ることは非常に重要なポイントになってきます。 　本講習会では、紙における基礎的な知識 (構造、物性など) や評価方法を中心として、さらに、印刷や後加工をする上で必要な紙の設計ポイントなどについても解説いたします。今後の紙分野における業務に少しでも役に立てられることを期待します。

1. 紙とは
   1. 紙の定義や種類
   2. 紙の市場状況
2. パルプについて
   1. パルプの種類
   2. パルプの製造方法
3. 紙の製造 (抄紙工程)
   1. 抄紙原材料
   2. 抄紙方法
4. 紙の製造 (塗工工程)
   1. 塗工原材料
   2. 塗工方法
5. 紙の製造 (仕上げ工程)
6. 紙の構造について
   1. 各種用紙における紙の構造
      • 表面
      • 断面
   2. 紙の構造における数値特性
7. 紙の物性について
   1. 力学的、光学的、強度的な性質など
   2. 水分による影響など
8. 紙の評価方法について
   1. 紙の評価内容
   2. 各種の評価方法
9. 印刷や後加工について
   1. 各種の印刷方式
   2. 各種の後加工方式
10. 紙の設計について
    1. 各印刷方式における紙の設計ポイント
    2. 各後加工方式における紙の設計ポイント
11. 環境対応
    1. FSC認証
    2. プラスチック代替として
12. 今後の展望
• 質疑応答