本セミナーでは、ポリ乳酸を中心とする生分解性プラの基礎・応用研究から技術・事業開発までを成し遂げた当分野のパイオニア的存在、望月氏を講師に招き、「海洋汚染」と「生分解性プラスチック」について詳細に解説いたします。
地球上に生命が誕生しておよそ38億年、地球上の生命体が生み出す全ての高分子化合物は生分解性であり、そこには自然界の真のリサイクルシステムである物質循環 (炭素循環) が成立し、これまで地球は決して廃棄物で埋まることはなかった。例えば、海洋中にはこれまで大量の流木や草本が流れ込んでいるにもかかわらず、自然生態系は泰然として健全に維持されてきた。しかるに、石油を原料とする非生分解性のプラスチックが出現してわずか60年後の今日、私達は今や深刻な海洋プラスチック汚染問題に直面している。 私達は海洋プラ汚染問題を解決する生分解性プラスチックの材料・製品設計において、海水中での分解速度の速さを競うような小児病的短絡思考から早期に脱却し、自然界の叡智である天然の生分解性構造材料としての木材や草本の植物細胞壁成分であるリグノセルロースに学ばなくてはならない。先般の多大な参加者の下に盛況理に開催することができた第一回セミナーに引き続き、今回は第二弾として海洋プラ汚染問題を回避するための生分解性プラの具体的な材料・製品設計指針を皆様方と共に考える場としたい。