洗浄バリデーションに関する基準をどう決めるか? どう評価するか?

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プログラム

1日目 第1部 査察経験を通した洗浄バリデーションにおける残留限度値及びホールドタイム (DHT/CHT) の設定方法

(2019年2月26日 10:30~16:30)

 洗浄バリデーションは、査察で必ず確認される医薬品製造現場では、極めて重要な取り組みである。この洗浄バリデーションに対して、大きな変化が求められている。 (1) リスクに基づいた取り組み、 (2) ライフサイクルを通した取り組み、 (3) 毒性に基づいた限度値設定、がその主なものである。この変化を十分に理解した上で、洗浄バリデーションに対応することが求められている。本講演では、この中で洗浄バリデーションの評価のKeyとなる残留限度値の設定方法、また査察時にしばしば指摘されるホールドタイムに焦点を当て、洗浄バリデーションの課題に対してどう取り組むべきかを解説する。

本テーマ関連法規・ガイドラインなど
  1. 洗浄バリデーション – 求められる2つの取り組み -
    1. リスクに基づいた洗浄バリデーション
      1. リスクマネジメントを理解する
      2. リスクをどう評価するか – 発生率・重大性・検出性 -
      3. ワーストケースアプローチとリスクマネジメント
    2. ライフサイクルを通した洗浄バリデーション
      1. 米国Process Validationガイダンスにみる3つのStageの内容
      2. ライフサイクルを通した取り組みとは何をすることか?
  2. 規制文書が求める洗浄バリデーションのポイント
    1. 米国査察官向けガイダンスに見る洗浄バリデーション
    2. PIC/S Annex 15に見る洗浄バリデーション
    3. GMP事例集 (2013) に見る洗浄バリデーション
    4. その他
  3. 洗浄バリデーションにかかわる各種文書
    1. バリデーションマスタープランとは何か – 作成上のポイント -
    2. SOP、Protocol、Master Batch Record作成上のポイント
    3. その他
  4. 洗浄バリデーションをどう評価するか – 残留限度値設定の考え方 -
    1. 評価対象物 – 薬物、洗剤、微生物、他 -
    2. 残留限度値設定 – Fourmanらの方法とその問題点 -
    3. 残留限度値設定 – 毒性に基づいた方法 -
      1. PDEに基づく限度値設定上の課題
      2. LD50からPDEを求める
      3. TTCに基づく設定
      4. 毒性データから残留限度値への計算方法 – Swab法を例として -
    4. 計算式に見る限度値設定上の課題
      1. 接触表面積をどう見積もるか
      2. 不確実係数/安全係数をどう見るか
      3. Bioavailabilityを考慮した計算式
      4. 接触部位以外の残留限度値設定をどうすべきか
      5. その他
  5. 洗浄バリデーションにおけるホールドタイム
    1. 4つのホールドタイムの内容
    2. ダーティホールドタイム (DHT) の設定
      1. DHT設定時に考慮すべき事項
      2. キャンペーン生産時のDHT
    3. クリーンホールドタイム (CHT) の設定
      1. CHT設定時に考慮すべき事項
      2. CHT設定方法の具体例
  6. 査察をスムーズに進めるために求められること
    1. 査察の目的とは? – 何を準備すべきか -
    2. 回答者が留意すべきこと
    3. 査察時の指摘事例
    4. 指摘された後の対応が重要
  7. まとめ

2日目 第2部 サンプリング方法、サンプリング箇所の設定、回収率試験の方法

(2019年2月27日 10:30~13:00)

 「残留許容値」については、科学的根拠 (毒性データ) に基づく基準へとシフトしているが、サンプリング関連作業については相変らず人の裁量が入る余地がある。また、PIC/S Annex15など「クリーンホールドタイムの設定」を要請するが、ホールド中にどのような再汚染が懸念されるか、その対策はなどの議論は十分といえない。こうした実務者が迷っている内容に切り込む講座である。

  1. 10年前の医薬品業界の洗浄バリデーションへの取り組み状況
    1. PDAの洗浄バリデーションに関するサーベイ (2006年〜2008年)
    2. サンプリング方法、スワブ面積、スワブ箇所、回収率テストの考え
    3. 10年経過したが、サンプリング、回収率等のHow – toはまだまだ発展途上
  2. 交叉汚染リスクのある製造所で洗浄バリデーションはナンセンス
    1. 洗浄バリデーションは部分最適との認識が必要
    2. 洗浄対象は前ロットの有効成分と限らない
    3. 洗浄バリデーションは専用設備でも必要
    4. クリーンホールドタイム (CHT) の設定
    5. 床、壁の残留許容量はどう考える?
    6. スモークスタディで気流方向、乱流発生の確認を
  3. 洗浄方法 (交叉汚染対策) の見直しの必要性
    1. 施設・設備等は微妙に変化するもの
    2. 洗浄バリデーションも再バリデーションの対象
  4. 洗浄バリデーション業務の進め方
  5. 各種サンプリング方法のメリット・デメリット
    1. プラセボ法 (ダミー法) 、フィニッシュプロダクト法、テストピース法
    2. スワブ法、リンス法
  6. サンプリング箇所の設定
    1. どこからどれ位サンプリング?
    2. 残留しやすい (洗浄困難) 箇所の例
  7. スワブ材と溶媒の選択
  8. 分析方法の留意点
  9. 回収率テスト
    1. 回収率テスト用ピースの作成例
    2. 回収率の計算
    3. TOCを使った回収率テスト
  10. 接薬表面積の算出例

第3部 洗浄剤、各設備の洗浄法、手洗浄 (COP) の手順化

(2019年2月27日 13:50~16:30)

 洗浄対象物は易水溶性物質とは限らない。その場合、どのような洗浄剤を使用すべきか。また、CIPシステムでも洗浄しきれない箇所は発生し得るし、手洗浄 (COP) では再現性の確保が問題になる。そうした実務者を悩ます検討課題に焦点を当て、参考になる情報を提供する。

  1. 汚れの種類と洗浄プロセス
    1. 洗浄剤による洗浄プロセス
    2. 殺菌においては『まず洗浄』が基本
  2. 洗浄剤の種類と留意点
    1. 各社は洗浄にどのような洗浄剤・溶剤を使用しているか
    2. 洗浄剤選定の留意点
    3. 湿潤剤 (界面活性剤)
    4. 乳化懸濁剤
    5. 錯体化剤
    6. 酸化剤
    7. アルカリ性洗浄剤
    8. 酸性洗浄剤
    9. 主な溶剤類
    10. 賦形剤、コーティング剤の洗浄に適した洗浄剤成分
  3. 噴射洗浄 (CIP) の留意点
    1. タンクおよび配管のCIPで注意すること
    2. スプレー装置と洗浄剤添加装置の種類とそれぞれの特徴
    3. 計測パラメータの選定
  4. 洗浄しにくい箇所 (Worst case Location)
    1. 原薬設備のWorst case Locationと設計・DQの失敗例
    2. 非無菌製剤設備のWorst case Location
    3. 無菌製剤設備のWorst case Location
  5. 材質の影響
    1. 発熱性物質 (エンドトキシン) が問題になる製品もある
    2. バフ研磨のリスク
    3. ステンレスのルージュ化
    4. 樹脂材からの溶出に注意
  6. 手洗浄 (COP) の手順化
    1. 手洗浄の準備作業
    2. 手洗浄SOPへの記載項目例
    3. 充填部品手洗浄SOP例

会場

三田NNホール&スペース
108-0014 東京都 港区 芝4丁目1番23号
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