第1部. ボトムアップによる新規事業アイデア創出の仕方
(2019年2月8日 10:00〜11:30)
自然環境や経済・社会が大きく変化し、ますますテクノロジーの進化が早くなる中、企業を支えていく新しい事業を継続的に創出していくことが求められています。 しかしながら、既存事業の延長線上ではない、新しい事業を創出することは、本業で成功している会社ほど難しいように見えます。その様な中で継続的に新規事業を創出するにはどうすれば良いの でしょうか。そして、それは仕組み化ができるのでしょうか、議論したいと思います。
- 「ボトムアップによるR&Dテーマ創出」は本当に必要なのか
- 今必要なテーマ
- トップダウンとボトムアップ
- ボトムアップでテーマを創出してもらう方法 (会社編)
- その阻害要因
- 促進の仕組み
- 富士フイルムにおける活動例
- オフィシャル
- アンオフィシャル
- ボトムアップでテーマを創出する方法 (社員編)
- 自分の働き方を変える
- 「人・モノ・金」は自分で要求する
- 上長を説得し、仲間を作る
- 働きがい改革でイノベーションを
第2部. ボトムアップによる新事業立上げ事例のご紹介
(2019年2月8日 12:15〜13:45)
オーバーアナリシス(過剰分析)、オーバープランニング(過剰計画)、オーバーコンプライアンス(過剰法令順守)に陥ってしまっているのではないでしょうか。こういった固定化された組織にはイノベーションは起こせません。組織に意図的にカオスをつくり出し、うまく創造的破壊を起こして組織の創造性を高めていく必要があります。関西電力で実践している事例を紹介させていただき、企業におけるイノベーションの起こし方について意見交換ができればと思います。
- イノベーションの仕組みづくり実践事例
- イノベーションを阻害するヒエラルキー組織
- 関電の若手ネットワーク’k – hack’
- イノベーションを加速させるために
- 事業立ち上げ実践事例
- 時速5kmの自走式モビリティ「iino」
- 背景と着想
- バイアスから解き放たれる放課後
- ごみ収集車に飛び乗る兄ちゃん
- 時速5kmモビリティの提供する価値
- 「時速5kmなんてニーズない」
- ルソーと欧陽脩と人類の進化史
- nonstop space
- ビジネスとしての時速5km
- あらゆるサービスを時速5kmの上で
- 人間中心の街づくりのツールとして
- 山積する課題
第3部. 社員の自主性を奨励する3Mの企業風土とR&Dテーマ創出の仕掛け
~AIが得意なことはAIに任せ、人は人にしか出来ない創新力を活かそう~
(2019年2月8日 14:00〜17:00)
1980年代、高度成長を遂げ世界市場を席巻していた日本は、何れ、米国を追い抜くであろうという夢を抱いていた。しかしその夢は、バブルと共に消え去り、以後、長い不況に突入した。人々は後年、それを『失われた20年』と呼び、出口の見えない状況が、現在も続いている。成長期の日本は、技術立国を掲げ、技術革新がビジネスの成功要因であると思い込み、やがてそれは、政府をはじめ産業界の確信に変わて行った。しかし、日本が米国と肩を並べるようになった時、日本は目指すべき方向を見失っていた。日本は、トップランナーの背中を見て走っていた時と、トップに並んだ時とでは、目の前に広がる景色が違うことに気づき戸惑ったのである。結論から述べると、成長期の日本企業は、R&Dの新たなテーマを必死で探す必要は無かった。従来通り、既存技術を進化させ、性能や品質の向上に磨きを掛けることに専念していたと言える。そして、『失われた20年』に突入した時、初めて自ら新たなR&Dのテーマを考えなければならない局面に立ったのだ。
本セミナーの目的は、日本企業が『失われた30年』に陥ること無く、再び輝きを取り戻すためのひとつの処方箋をお伝えすることにある。そこで、一例を挙げ紹介したい。1902年創業の3M(スリーエム)社は、100年後の2001年には売上160億ドル(1兆8千億円)の企業に成長しました。さらに、日本が、『失われた20年』でマイナス成長を経験し低迷していた期間も、3Mは成長を持続し、2017年の売上は、316億ドル(約3兆5千億円)、営業利益率は約25%(約8千8百億円)。高い利益率の源泉は売上の約3分の1を過去5年間に市場に導入した新製品であるということにある。本セミナーでは、新製品を次々と開発し、市場をリードしてきた3M流R&Dマネジメント手法を解き解してみることにする。
- 技術立国志向で世界市場を席巻した日本の成功から学ぶ
- 欧米の日本バッシングから生まれた日本の技術革新政策
- 日本の科学技術政策の実態から見えてきたものとは?
- 技術立国日本が『失われた20年』に陥ったのは何故か
- ケーススタディ『日米のイノベーションの失敗例と成功例から学ぶこと』
- 技術革新だけでは新たな市場は創出できない
- 成長無き平成の30年間から若きリーダーが学ぶべきこと
- 日本企業の技術革新志向は、なぜ新たな価値を産み出せなかったのか?
- 市場のリーダーとフォロワーの違いを考える
- 企業の継続的成長の源泉はイノベーションへのチャレンジ
- 学者や評論家が強く推奨する破壊的イノベーションの実体
- 新規事業開発室を作ったのに、なぜ新規事業が成功しないのか?
- イノベーションは多産多死の試練を乗り越えたことの『証』である
- 100年企業3Mのイノベーション経営を解き解す
- 次々と新製品を創出し、持続的な成長を遂げている3Mの横顔とは?
- 経営者の大事な役割は、研究者の自由な発想を支援する環境づくりである
- 失敗を許容しチャレンジを奨励する企業文化は如何にして生まれたか?
- MにおけるR&Dの明確な位置づけとは何か?
- 新たな研究テーマを創造する3M流の仕掛けとは?
- 製品にはライフサイクルがあるが、技術は積み上げることで継続的に進化する
- アイディアの源泉は歴史が積み上げたテクノロジー・プラットフォーム
- 社員の自主的運営によるテクニカルフォーラムは新製品の卵の宝庫
- イノベーション・サイクルへのチャレンジに失敗は無い
- 知っておきたい失敗しない新製品開発の定石とは?
- 日本企業が再び世界市場で輝きを取り戻す秘策とは?
- 愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ
- 個別最適から全体最適への転換は、組織のパラダイムシフトを加速する
- 戦略と戦術の新たな定義を体得することで企業の競争力は飛躍的に向上する
- おわりに