(2019年1月21日 10:00〜12:00)
多形制御のためには多形の熱力学的性質や核発生、成長および転移の析出過程、の理解が重要である。本講では、多形の物性と転移現象の関係などの基礎から、晶析における多形の析出・転移のメカニズムについて解説する。さらに、多形現象の共通視点から、種々の化合物、種々の晶析法における多形制御の実例を紹介しながら解説する。
~申請資料における多形記載、結晶多形特許、スケールアップも交えて~
(2019年1月21日 12:45〜14:45)
医薬品の固体物性において、結晶多形、水和物等の多彩な結晶形態を有していることが多いので、医薬品を開発するための候補化合物については、結晶多形などの原薬特性評価を実施しておくことが極めて重要である。医薬品品質の基礎となる、結晶多形を評価するための熱分析、粉末X線回折などの分析評価技術を始めとした物性評価技術について解説する。また、医薬品開発の始動段階において必要とされる塩形・結晶形のスクリーニング及び塩形結晶形の決定に必要な分析評価、品質評価についても開設する。これら結晶多形のスクリーニング事例、物性評価事例、スケールアップ事例についても紹介するとともに、医薬品申請に必要な結晶多形等の記載例などについても紹介する。また、結晶多形技術は、医薬品特許においても重要な項目であり、特許関連事項について解説する。
~スクリーニングと製剤化検討を踏まえて
(2019年1月21日 15:00〜17:00)
医薬品原薬の物性を改善する方法の1つとして、コクリスタル (共結晶、Cocrystal) の設計が注目されている。本講演では、医薬品開発における原薬の結晶形態という観点で、共結晶の基礎、代表的な探索スクリーニングや評価の手法ならびに製剤学的な応用例について解説する。特に評価手法に関しては、近年、注目されている低波数ラマン分光法を用いた手法についても平易に解説する。また、必要に応じて、レギュレーションや知財戦略といった、共結晶の開発を取り巻く最新事情についても紹介する。可能であれば、受講する2~3週間程度前に、希望する講義内容や質問を連絡していただくことで受講者のニーズに応えたい。