本セミナーでは、色彩計測について基礎から解説し、望ましい色彩、測定のノウハウについて詳解いたします。
インダストリアルデザインに於ける質感の重要性が謳われて久しい。最近の工業製品や工芸品は、特殊な光学特性を備えた材料や複雑な表面加工・処理を施す事によって、多様な質感を表現している。このような背景の中、デザインや製造上の品質管理には、質感に関連する高次元の情報を簡単に計測できる機器が必要となり、統合アピアランス計測の関心が高まっている。このような背景の中、質感や色彩の基本的な理解と、測定技術の確立が必要不可欠である。本講演では繊維やプラスチックといった一般材料から、特に自動車業界に多くみられる光学異方性を備えたメタリック・パール色や、蛍光色を含めた物体色全般にわたる測定対象を、モノづくりの視点を含めて俯瞰し、測定システムを利用する、あるいは構成する上での留意点を解説、正しい計測と評価につなげていく為の基本的な概念と知識の習得を目指す。加えて肌や化粧品に関する測定も試みる。 また、最新のCG技術とのコラボレーションや、合理的なデザインや評価環境の構築について解説する。更に最近の計測機器について、その原理や多くの計測例を紹介、その中で、測色システムと光学幾何条件、及び質感との関係や、材料と表面構造に関する最近のトピックを取り上げる。特に自動車塗色に関しては、マルチアングルのポータブル分光光度計や分光イメージング装置を持ち込み、計測の実際を理解して頂くと共に、質感に関する計測のアプローチについて、工業生産の側面に立って解説を行う。モノづくりとデザインに於いて、CMFは一つの重要なキーワードであり、デザインと製造の両側面からの統合的な解説を実施し、現状の問題点の把握と共に、将来のシステム構築への展開、展望を考察する。