最近は高機能なインクジェットプリンタが安価に市販されています。そのため、インクジェット技術を新規に応用しようとする方は、容易にそれらを適用できると考えがちです。しかし実際はそれほど簡単ではありません。
本セミナーでは、インクジェット技術の応用をしたい方、デバイス等の開発のためにインクジェット技術を使おうとしている方、インクの開発をしていてインクジェット側からの要求を把握したい方に、インクジェット各構成要素の特性把握のために原理的な説明をすると共に、具体的な課題およびその解決方法について実務的に説明し、現在及び将来の課題解決に役立ててもらいたいと考えています。
- 本講習の目的
- インクジェットはなぜ飛ぶか
- 水鉄砲と同じ? それとも灯油ポンプ (醤油チュルチュル) と同じ?
- インクジェットはなぜ飛び続けるか?
- インクジェットにはどんな種類があるか?
- 大きく分けると2つ – オンデマンドタイプとコンティニュアスタイプ
- 力の元:ピエゾとバブル/その強みと弱み
- インクジェットの応用分野はどんなものがある?
- 民生用インクジェット
- 産業用インクジェット
- インクジェットでまず起こる問題とは?
- インクはノズル内で乾いてはいけない。しかしメディア (紙面) 上で乾かなければならない。さてどうするか?
- ちょっとしたことで必ず打たなくなる – ゴミや気泡
- メディア上で乾かす方法は?
- こんなにある乾燥 (定着) 方法 – いかに苦労してきたか
- 専用紙
- 油性インク/浸透インク
- 超アルカリインク
- 超浸透インク
- ホットメルトインク
- UVインク
- 転写方式
- 凝固剤吐出
- 凝固剤塗布
- 赤外線、フラッシュ
- 温風
- インクジェットシステム開発の望ましい手順は?
- 民生用インクジェットと産業用インクジェットは何が違う?
- 人間の目は,大きければ良く見える?
コントラスト感度関数 (CSF)
- ドット不均一の例
- 不均一の原因概要
- インクジェットヘッドのモデル化
- 集中定数モデルは役に立つか
- 「押し打ち」の式
- 薄膜PZT
- 例題ヘッドの具体的なパラメータ変動と特性変化
- ノズル長さ、ノズル径、供給路長さ、供給路断面積のばらつきと特性変化
- 圧力室幅、圧力室長さ、PZT厚さ、振動版厚さのばらつき
- インク粘度、インク密度、インク音速の変動
- 30/50μmの気泡の存在
- 圧電定数、駆動電圧のばらつき
- 速度変動に効く要因は何か (まとめ)
- 吐出量変動に効く要因は何か (まとめ)
- モデル解析から判る事
- 同じヘッドでも特性が違う/押打ちと引き打ち
- インクにはどんな種類がある?
- ヘッド、システムから見たインクの重要特性 (パラメータ)
- 粘度
- 表面張力
- 密度
- ぬれ性
- 粒径
- 音速
- ヘッド、システムから見たインクの重要特性 (ヘッド内挙動)
- 接液性
- 界面凝集
- 電界、電池形成
- 分散破壊、凝集、沈殿
- コゲ (BJ)
- 気泡発生
- 最適吐出量の決め方
- 吐出量の決定
- 細線の印刷
- 最適速度の決め方
- 飛翔速度と着弾精度
- インクジェットの測定法および評価法
- 測定法
- 評価法
- ノズル毎のばらつきに対する対策
- アクチュエータ、流路のばらつき低減
- ノズルのばらつき低減
- 不吐と経時的なばらつきの要因および具体的対策
- 気泡
- ノズル面汚れ
- インク蒸発、界面凝集
- 昇温
- 残留振動
- クロストーク
- ヘッドインク以外の要因と具体的対策
- 環境
- 装置
- 負圧
- 水頭差
- その他の不均一対策
- マルチパス
- 高速マルチパス
- ノズル個別補正 (DPN)
- ヘッドシェイディング補正
- おわりに