革新的な製品とは、大きな『顧客』価値を創出する製品であると定義することができます。この大きな『顧客』価値を創出する上で、研究開発部門は社内で最も大きな責務を負っています。 かし、現状の研究開発部門は心理的にも、経営プロセス・組織的にも顧客や市場から遠いところに位置しており、『顧客』価値を創出するには大きな問題を抱えています。この問題を解決する方法が、研究開発部門をマーケティング志向に変えることです。今やマーケティングは、研究開発部門が備えておかなければならないというレベルの能力ではなく、『企業存続のための必須』の能力です。
本研修においては、研究開発部門が担わなければならないマーケティングについて、第一日目にマーケティングの基本理論を「基本理論編」として、そして二日目には、その基本理論を利用して日々研究開発部門においてどうマーケティング活動を実践していくかについて「実践編」として、包括的かつ具体的に学んでいただきます。本研修においては、マーケティングの一般論ではなく、明確に研究開発部門に焦点を当てて、講義を行っていきます。
- 「基本理論編」と「実践編」の関係
- 研究開発におけるマーケティング活動の全体像:研究開発のマーケティング・サイクル
- 研究開発のマーケティング・サイクルとは?
- 研究開発のマーケティング・サイクル構築の前提
- 前提1. 研究開発のマーケティングの3つの目的の存在
- 前提2. 市場の複雑性と不確実性への対処としての仮説と検証の必要性
- 前提3. 顧客との面会のための提案・情報発信の必要性
- マーケティング・サイクルとステージゲート・プロセスとの関係
- 市場情報まとめ
- 「市場情報まとめ」とは (※:記入テンプレート例含む)
- 「市場」
- マクロ環境変化
- 市場ニーズ
- 市場規模推移
- 競合
- 競合製品比較分析
- 競合企業比較分析
- ファイブフォーシーズ分析
- 自社
- 自社製品強み・弱み
- 自社能力強み・弱み
- 製品・事業アイデア創出・定義/修正
- 製品・事業アイデア創出
- 製品・事業アイデア創出のための9つのタスク
- 製品・事業アイデア定義/修正
- 『事業』の定義の構成要素
- 「製品 – 事業アイデア創出・定義/修正」のアウトプット・テンプレート例
- 製品・事業アイデア評価資料
- 「製品・事業アイデア評価資料」の位置付け
- 評価項目の全体像
- 市場の魅力度
- 自社の適合度
- 財務目標の達成度
- リスクと対応策
- プロジェクト評価
- 「評価」の位置付けとタイミング (ステージゲート・プロセスにおいて)
- 「評価」と承認・中止の意思決定の3つのステップ
- 各ゲート (評価の関門) における評価
- 仮想カタログ/提案書/サンプル
- 「仮想カタログ/提案書/サンプル」の目的
- 仮想カタログの例
- 「仮想カタログ/提案書/サンプル」の作成
- その他発信情報作成
- 自社技術・周辺技術知識蓄積・拡大モデル:『BIRDS』
- 情報発信向けのコンテンツとしての「自社の技術」 (富士フイルムの例)
- 情報発信
- 様々な情報発信活動
- 技術コミュニケーションの体制
- 顧客との面会アポイントメント
- 面会アポイントメント取りは難しくない
- 顧客との面会のアポイントメントをとるための全体プロセス
- 顧客との面会と情報入手
- 顧客との面談に必要とされる活動
- 面談参加者の人選
- 面談準備
- 面談実施の8つの重要ポイント
- 面談実施後の作業
- 面談の重要な点 (面談で完璧はあり得ない、人間性の鍛錬の場、等)
- 知財管理について
- 面会個票
- 情報蓄積フォーマット
- その他情報の収集
- 「その他情報収集」の意味
- 9つの情報源
- 情報収集における重要なポイント (仮説と検証の重要性、自身の思考による補完、等)
- 最後に