第1部 射出成形過程の可視化による残留応力発生のメカニズム
(2019年2月15日 10:00〜13:40)
射出成形品はその成形過程の履歴 (流動・固化) により、高分子鎖が強く配向し、 このために離型後に変形が生ずる。ここではその挙動を可視化し、メカニズムを 明らかにするとともに、残留応力を定量化する実験的手法を紹介する。 また流動解析 (CAE解析) によるそり変形解析の精度低下要因とも関連づけて述べる。
- 初めに
- 射出成形に関する予備知識
- 残留応力とそり発生の要因
- 発生要因① (熱要因)
- 発生要因② (流動要因)
- そり解析精度低下要因
- 成形品の物性値分布の測定
- 残留応力計算演習
- 残留応力測定原理
- PBT平板の残留応力測定
- 残留応力に与える影響 (考察)
- 金型内可視化観察
- 可視化実験の原理
- 可視化画像の紹介
- 可視化観察からの知見
- 流速分布
- 分子配向とせん断力について
- 射出成形品に生ずる分子配向
- いろいろな可視化画像の紹介
- まとめ
第2部 ポリプロピレン成形品のアニーリングによる構造と物性の変化
(2019年2月15日 13:50〜15:20)
半結晶性高分子材料は非晶性の材料と比較して、成形加工時に発生する残留応力の理解は複雑である。そこで、成形加工時の結晶構造の形成について、最初に平易に解説する。その上で、成形品の結晶構造が、熱処理 (アニーリング) により変化すること、そして、物性が変化することを解説する。
- 複屈折により成形品の中を見る
- 分子配向と複屈折
- 配向複屈折と応力複屈折
- 繊維と射出成形品の複屈折
- ポリプロピレンの結晶化
- ポリプロピレンの分子構造と結晶構造
- DSCで測定している結晶化挙動
- 現実の流動場での結晶化挙動
- 成形加工により生成する構造と物性
- 急冷、徐冷、分子量との関係
- 射出成形品の内部構造の生成
- 構造と物性との関係
- 高温での結晶の変化
- 結晶の厚化と融解温度の上昇
- 結晶化度の増大と物性の変化
- アニーリング処理
- 成形品の寸法と成形収縮率
- 結晶構造の変化
- 物性の変化
- 参考として物理エージングの問題
- まとめ
第3部 高分子材料の応力/ひずみの評価
(2019年2月15日 15:30〜17:00)
高分子材料の応力/ひずみ曲線の測定・評価を中心に、測定により何が得られるか及び、データの意味するものを解説します。CAE等で必要とされている真応力の実測方法について説明します。
- 応力/ひずみ曲線の意義
- 応力/ひずみ曲線の目的
- 各種物性試験における応力/ひずみ曲線
- 公称応力と真応力
- 各種材料の応力/ひずみ曲線
- 金属材料と高分子材料の応力/ひずみ曲線の違い
- 樹脂材料の応力/ひずみ曲線
- エラストマー材料の応力/ひずみ曲線
- 真応力測定について
- 真応力/ひずみ曲線の測定
- 真応力/ひずみ曲線測定の為の試験片形状
- 試験片作成方法
- ひずみ等の測定方法
- ゴム材の真応力/ひずみ曲線の実測結果
- 樹脂材の真応力/ひずみ曲線測定について