(2019年1月23日 10:30〜12:10)
自動車用ヘッドアップディスプレイ (headupdisplay:HUD) は、自動車運転中の正面に近い位置かつ遠方に情報を提示できることから、注視対象に向ける眼球運動量が少なく、かつ眼の焦点調節に要する時間を短縮できる。したがって、視認時間が短くなり、交通事故や眼疲労の低減が期待できる。 本講演では、前半にHUDの生理学的安全性を述べ、後半は、眼光学の基礎知識、加齢に伴う視覚変化に関する知識、生体計測技術、ユーザビリティのノウハウなどを活かし、視覚的ニーズに応じるための理想的なデザインである「視覚中心設計」について、事例とともに紹介する。以前より本セミナーを担当しているが、新しい点として、生理光学の基礎を多めに追記する。
(2019年1月23日 13:00〜14:40)
VR技術から派生したAR技術の自動車への応用は、「自動車用ヘッドアップディスプレイの進化発展形態」に位置すると考えられる。 このAR表示装置は所謂、認知時間が短く、自動車表示装置として極めて優れている。本講義ではこの優位性はいかなるメカニズムから来るのか実験的に解き明かす。またこの種のAR表示装置を自動車に応用するときどのような用い方が現実的であろうか考察したい。
(2019年1月23日 14:50〜16:30)
自動車のコクピットにおいて、人とクルマの接点となるHMIデバイスに関する要素技術には様々なものがある。この分野では、魅力的な商品としての価値を訴求する一面もあるが、その前に安全に安心して使えるHMIの開発を人間中心に考えて進めることが重要である。 特にHUDやメータ、そして今後の開発動向が注目される電子ミラーも含めてディスプレイデバイスについては、人間の視覚特性や認知特性を考慮した開発が肝要となる。それぞれの機能に応じた要件について考察する。