第1部 単層カーボンナノチューブ (SWCNT) 分散の高度化を目指した光応答性分散剤の開発
(2019年1月24日 10:00〜11:30)
分散剤を利用したCNT分散技術について、その重要性、課題、新規コンセプトに基づく分散技術の開拓と応用例を紹介する。
- CNTの分散について:なぜ分散技術が重要なのか
- ナノチューブの特性を活かすために
- 分散手法の紹介
- 分散剤の紹介
- 現状の分散剤が抱える課題
- 分散剤の開発:課題を解決し次のステージにすすむために
- 開発のコンセプト
- 光応答性分散剤の設計・合成
- 光応答性分散剤の性能
- 分散技術の高度化に向けて:光応答性分散剤を利用した応用例の紹介
- SWCNTの精製
- SWCNTを高度に分散
- SWCNT薄膜の微細加工
- 光製膜法
- まとめと展望
- 分子の吸脱着を利用してSWCNTの表面物性を制御する
第2部 分散プロセスを最適化するためのポイント
(2019年1月24日 12:10〜13:40)
- 7つの分散の定義
- 粉砕 (分散) とは (打ち砕く行為)
- 解砕 (分散) とは (ばらばらにして壊す行為)
- 解粒 (分散) とは (カーボンブラック、無機物)
- ぬれ分散とは (樹脂+無機・有機フィラー)
- 解繊分散とは (CNT、CNF等)
- 剥離分散とは (黒鉛、ベントナイト等)
- 乳化分散とは
- 最適化のポイント
- 7つの分散の違いに対しての明確化 (最重要)
- 前処理、空気を排除
- 詰まらない径とは、通る最小径をつかう
- 力はどのくらい必要か
- 温度条件は
- 縦の力と横の力の比率
- 勾配の制御 (時間軸に対しての、力のかかり方)
- 生産技術的、費用対効果からみる上限圧力とは
- パス回数の考え方
第3部 超音波を利用したカーボンナノチューブの分散技術
(2019年1月24日 13:50〜15:20)
実用商用化が進み始めたカーボンナノチューブですが、分散に関するお悩みの多くは、「分散プロセス時に切れてしまう」、「処理中の発熱により連続で処理が出来ない」、「分散処理後のCNT添加量を増やしても効果が見られない」など、課題は数多くあります。
今回は弊社製品ラインナップの中から自転と超音波を組み合わせて、ナノマテリアル分散に特化した装置「分散ナノ太郎 (PR – 1) 」を用いて、「超音波を利用したカーボンナノチューブの分散技術」と題しまして、分散技術、装置の特徴、材料分散事例などについてお話をさせていただきます。問題の解決方法のお役に立てればと思います。
- イントロダクション
- 製品ラインナップ
- 自転・公転ミキサーでのナノ材料の分散
- 産業化における課題点
- 超音波ナノ分散機PR – 1の特長
- 材料処理量と回転数
- 温度管理機能
- 既存の超音波装置とPR – 1の比較
- PR – 1の材料分散事例
- まとめ
第4部 遠心沈降法による粒子径計測、NMRによる分散性評価
(2019年1月24日 15:30〜17:00)
- 遠心沈降法による粒子径計測
- フィッティングを用いず、直接的に粒子を観測する方法として近年注目を集めている。特に、頻度別遠心沈降方式は、沈降速度の違いから粒子を分級してから検出するため、分解能が非常に優れている。
CNTは凝集力が強いため、バラバラにほぐれて分散しているものと凝集体が同時に存在していることが多い。頻度別遠心沈降法を用いることで、凝集体の有無や分散させていく過程の粒子径分布の変化を測定することができる。実際のデータを用いて高分解能な計測法を紹介する。
- NMRによる分散性評価
- 分散体の評価は高濃度高粘度の状態では難し事が多い。NMR法では高濃度、高粘度であっても分散性の評価が可能である。アスペクト比をそのまま反映した比表面積値として比較することができるのも特徴である。
また分散媒との親和性の評価や適した分散剤の評価も可能である。
原理の説明から実例を用いて紹介する。
- 遠心沈降法による高分解能な粒子径計測
- 粒子径計測とは
- ディスク遠心式粒子径分布測定装置の特徴と原理
- 分散時間の違いによる粒子径
- パルスNMRによる高濃度分散系の評価法
- 測定原理
- 分散時間の違いによる比表面積の相対比較
- 簡便な分散剤種の選定法および最適量の評価法