本セミナーでは、国内外における風力発電事業の市場動向、風車用ブレードに使われるCFRPの製造プロセスやコスト削減への取り組み、電力系統との融和、洋上風力発電システムの開発状況について4名の講師が詳解いたします。
講師:
(株)風力エネルギー研究所 取締役 主任研究員 博士 (工学) 今村 博 氏
風力発電は再生可能エネルギーの中でもコストの安い発電方式の一つであり、欧米・アジア各国では政府の後押しもあり、世界ではその導入が急拡大している。 一方日本においては、政府の低い導入目標や系統連系に関する課題、厳しい環境条件などによりその導入が進んでいない。 本講演では、風力発電の市場動向を概観し、日本に風力発電を導入するのに必要な技術的課題およびその解決に向けた今後の展望について説明する。
講師:
井塚技術士事務所 代表 技術士 井塚 淑夫 氏
炭素繊維使い複合材料 (CFRP) は、軽量、高強度・高剛性などの特徴を有する先端素材として注目されている。CFRPの概要を、特徴、製造方法、機械加工およびコスト低減への取り組みについて説明する。 次いで、CFRPの多くの特徴を活用した応用例について紹介するとともに、拡大が急速に進んでいる風力発電用ブレードとしての応用の現状と今後の方向について説明する。
講師:
(社)日本風力発電協会 企画局長 斉藤 哲夫 氏
最近の調査結果により、国内の風力発電導入ポテンシャルは、国内電力会社の全発電設備容量を上回ることが判明している。一方電力の安定供給面からは風力発電の導入容量や運転制御方式などに対して一定の制約が必要である。 本講座では、風力発電導入ポテンシャル、系統連系制約条件、国内外における風力発電事業者および電力系統運用者における系統連系対策の現状と今後の展望および各種風力発電方式の特徴や具備している各種制御機能にについて解説する。
講師:
東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻 教授 石原 孟 氏
欧州風力発電協会は、2020年までに4000万kW、2030年までに1億5000万kWの洋上風力を開発するという野心的な目標を掲げ、次々と大規模洋上風力発電所の建設を始めている。かつての陸上風力発電のようにいま洋上風力発電の普及が始まっている。 本講座では、洋上風力発電の現状を紹介すると共に、洋上風力発電の歴史と最新技術、洋上風力開発の戦略と将来展望について解説する。