(2019年1月28日 10:30~12:10)
自然界にない光学特性を示す人工物質であるメタマテリアルは、製作の困難さから光の波長における製作例は少ない。一方リソグラフィ技術の進展によって、平面的な金属構造を容易に製作することが可能となった。とくに金属ナノ構造で生じるプラズモン共鳴などの応答を自在に制御することで、極薄の光学素子を形成する研究が近年進展している。この分野はメタサーフェスと呼ばれ、メタマテリアルの中でも特に実用化に近い分野として期待されている。 本セミナーでは、メタサーフェスの原理・特徴、作製方法と応用について述べる。
- カイラル構造、金属・絶縁体 (MI) 多層膜 -
(2019年1月28日 13:00〜14:40)
本講座では、光学メタマテリアルの基礎と応用について理解を深め、その過去・現在・未来を見通しよく眺めます。光学メタマテリアルは、従来の天然の物質を構成する原子や分子を、人間によって作られた波長よりも小さな人工構造で置き換えることで、天然の光学材料を超える試みです。言葉を換えると、化学組成ではなく、構造によって材料の光学特性をエンジニアリングすることです。メタマテリアルは、2000年以降に負の屈折率、完全レンズ、隠れ蓑、完全吸収体など常識では考えられない光学特性を次々に実現してきました。 本講座ではまずこれらの歴史と基礎的な原理を振り返ります。その後、講演者がこれまで研究してきたカイラルメタマテリアル、磁気カイラルメタマテリアル、金属・絶縁体多層膜メタマテリアル、さらにメタ表面の光学特性について紹介します。
(2019年1月28日 14:50〜16:30)
メタマテリアルとは、自然界にはない特性を有する人工的な電磁構造である。電磁波の伝搬特性を制御することができるメタマテリアル技術は、アンテナ素子自体に適用したメタマテリアルアンテナと、従来のアンテナ素子の周辺にメタマテリアルを配置したものに大別される。 本講演では、メタマテリアルのアンテナ応用のための制御対象として、伝搬位相、特性インピーダンス、屈折率、伝搬振幅、および反射位相に分類し、それぞれの原理や効果を解説する。次に、メタマテリアルおよびメタ表面の実用設計法と実施例を 紹介し、今後の展望を述べる。