(2019年1月22日 10:00〜11:30)
本講座では「なぜ材料研究に機械学習が必要か?」に焦点を当て、機械学習の具体的な応用事例を解説します。本講を通して機械学習をただ利用することが目的とならないよう、機械学習応用の作業フローを理解していただくこと、そして研究課題の設定こそが最も重要であることを理解していただくことが狙いです。また講師自身の研究経験に基づいた講座内容ですので、一般解説書等では得難い現場の声を聴講いただけます。
(2019年1月22日 12:10〜13:40)
ビッグデータとAIによりITの活用がますます重要視されていく中、消費電力の問題がクローズアップされています。低消費電力の技術を考える上で、生体のメカニズムをエレクトロニクスへ応用する方法が注目されています。人間の脳を模倣した超低消費電力デバイスの開発、バイオミミクリー (bio – mimicry:生物模倣) を応用した材料の開発など、バイオとエレクトロニクスの融合が重要となっています。このような状況下において、新規材料開発が、益々重要となっており、マテリアルズ・インフォマティクス (MI) は、材料分野において最も注目を浴びている技術のひとつであり、材料開発の期間やコストの削減、革新的な素材の発見を実現する可能性を持っています。 これを具現化するには、研究機関や企業等に長年蓄積されたデータを収集し、データから抽出した情報をどのように知識化していくかが鍵となり、AIをベースとして膨大な文献情報を読み込み、データを知識化する「コグニティブアプローチ」、構造や物性値を予測モデルから理論的に推定する「アナリティクスアプローチ」の2つの手法の開発を紹介します。
~効率的な材料開発へ向けて~
(2019年1月22日 13:50〜15:20)
ソフトマター (高分子や液晶分子、コロイドなど) は他の材料で見られない特異な性質を示すため、機能性材料と呼ばれ、我々の身の回りの様々な製品で利用されている。近年さらにその需要が高まっているが、その性質の詳細はまだ不明な点が多く、製品開発には多大なコストが必要である。 本講演では、分子シミュレーションをソフトマター材料に適用し、分子レベルのメカニズムを調べたいくつかの研究例を紹介するとともに、AI技術と分子シミュレーションを組み合わせた最新の研究と材料開発に対する今後の展望を示す。
(2019年1月22日 15:30〜17:00)
新材料の開発は専門家の知見・経験に基づき作製と実験を繰り返す手法が一般的でしたが、コンピュータ分析により材料開発の指針を見出すマテリアルズ・インフォマティクスが進展しています。本講座では、マテリアルズインフォマティクスを適用した日立の「材料開発ソリューション」を紹介します。