カメラモジュールは、携帯電話用だけで年間10億を超える膨大な市場を形成しています。最近では、最高画素数は5M , 8M ,12 Mと拡大の一途を辿り、上位機種ではDSC化が進んでいます。しかし、携帯電話では画素数をただふやすだけでなく小型化も並行して行わないと製品として成立しません。そのため、画素サイズの縮小化が図られ、画素縮小に伴う性能劣化を様々な技術的工夫により改善しています。
一方、メインストリームを占める2M , 3.2Mの固定焦点タイプ及びサブカメラでは「リフロー化」が進んでいます。昨年までは、業界最大手の1社が積極的に搭載を進めるにすぎませんでしたが、今年に入りアジア・欧州の大手携帯電話メーカーの採用検討が本格的になってきています。これは、「メイン基板の自動組立」を実現するためであり、年間億の単位となっている大手携帯電話メーカーでは、生産性向上、実装コストの低減、組立品質向上のため「リフロー化」は必須の技術になりつつあります。さらに、2011年には、従来のレンズと同等以下のコストで製造可能なCasting Lensの量産が本格化することにより、カメラモジュールのリフロー化は、メインカメラまで本格展開されることが予測されます。
本講演では、カメラモジュールの多画素化を推進するための技術、Casting Lensが何故低コストになるのか等を説明します。さらに、リフローカメラモジュールを携帯電話以外の製品に汎用展開するアイデアについても説明したいと思います。
- Reflowの基礎知識および携帯電話用部品のリフロー化の現状
- 鉛フリー半田の分類
- 携帯電話用非耐熱部品のリフロー化対応Trend
- カメラモジュールのリフロー条件
- カメラモジュールの市場動向
- 携帯電話用Camera Module市場規模推移
- 主要携帯電話メーカー生産数とカメラ搭載数の推移
- 携帯電話用Camera Module Share 推移実績・予測
- Supply Chain Matrix
- カメラモジュールのリフロー化要望の背景
- CCD Image SensorとCMOS Image Sensorの構造・動作比較
- カメラモジュール低価格化の必要性とその実現の方策
- Camera Module 低背化要求昂揚の背景
- 超低背1mmカメラモジュールの必要性とその構造
- 裏面照射 (BackSide Illumination) 型センサの構造と特徴
- 微小セルの解像力をレンズ解像力は引きだせるか?
- 既存のリフローカメラモジュールは何故画質が悪いのか?
- Reflowable Camera Moduleの低価格化・高性能化実現技術
- リフローカメラモジュール の分類
- CSPベースリフローカメラモジュールの製法
- リフロー対応レンズ分類・一覧
- 各種レフローレンズの製法と特徴
- Casting Lensの製法と特徴
- Glass切断用超短Pulse Laser Dicerの特徴と原理
- 様々な種類・製法のレンズの複屈折比較
- Lens Cost / 設備投資額比較
- Camera Module用Lens Bench-Marking
- メカニカルAFカメラモジュールでのCasting Lens採用の効用
- メカニカルAFカメラモジュールのリフロー化の可能性
- Solid State型リフローAFカメラモジュールの構造例
- 携帯電話用カメラモジュールを使用した汎用モジュール
- PC用USB I/Fカメラモジュールの効率的実装方法案
- 標準Camera Module複数個使用による広角カメラ実現案
- マルチリフローカメラモジュールの実装例
- まとめ ~耐熱レンズに望まれる特性とは?