生物資源やバイオテクノロジーを活用して経済成長を図る「バイオエコノミー (生物経済) 」が注目を集めています。デジタル化に匹敵する技術革新を起こすとされ、2030年までに180兆円の巨大市場への成長が見込まれています。バイオエコノミーの素材としての藻類への注目は年々増加しており、各国で多額の投資を集めた開発も研究フェーズから実証フェーズへと移行してきています。また、事業化に向けたターゲットも燃料から食品等へと広がってきています。
本セミナーでは「生産者としての藻類のポテンシャル」「藻類の生物的な基礎」「藻類エネルギー事業における問題点」「藻類ビジネス全般に関する概要」「様々な藻類生産技術」「藻類生産における技術課題」といったテーマ設定で、地球規模のマクロの視点で見た時の藻類のポテンシャルから、最新の研究動向までを体系立った構成でお伝えします。
第1部 なぜ今藻類なのか?
- 物質循環
- 物質 (炭素) 循環とは?
- 食料・燃料需要の今後
- 太陽光・光合成・バイオマス生産
- 未来のバイオマス生産
- 未来の食料供給と需要
- 藻類培養と慣行農業
- 低残渣
- 高生産性
- 農地
- 水資源
- 生産コスト
- 高付加価値産物
- 藻類培養の現状
- 藻類培養が行える環境
- 藻類培養におけるバイオマス生産性
- 「忘れられがちな」要検討項目
第2部 藻類を利用した事業構築
- 時代の流れと藻類への期待 (バイオエコノミーにおける藻類の位置付け)
- バイオマス起点の事業動向
- 新しい農業としての藻類
- 藻類産業の歴史
- 藻類産業を広げていくための進め方
- 藻類の事業化例
- 抗酸化色素
- 化粧品原料
- 不飽和脂肪酸
- 健康食品
- 今後事業化が期待される分野
- 海外での研究開発動向
- 液体燃料生産の研究開発動向
- 藻類での新規事業立ち上げ方
- 新規事業としての藻類の魅力と課題
- 認知度なしからの市場構築 (ユーグレナ社の例)
- 差別化による市場構築 (タベルモ社の例)
第3部 藻類の研究開発
- 藻類の探索
- 狙うべき特性に合わせた探索戦略
- 持参すべき器具、場所の選定、採取方法他
- 候補株から有用株への絞り込み方
- 藻類の生育と代謝
- 藻類はどのような生き物か
- 藻類の生態と生育条件
- 藻類の栄養源と代謝
- 藻類の取り扱い方
- 藻類の観察方法
- 藻類の分離ポイント
- 培地の選定 (どのような培地が良いのか)
- 藻類の保存方法
- 藻類の品種改良 (機能強化)
- 藻類の機能評価
- 藻類の生産性向上
- 変異導入法による藻類育種の実際
第4部 大規模藻類培養技術
- 藻類バイオマス生産システム
- 開放型システムの種類と技術開発動向、生産性、コスト、課題、展望
- オープンポンド・レースウェイ
- カスケード型ポンド・レースウェイ
- 担持体培養
- 閉鎖型システムの種類と技術開発動向、生産性、コスト、課題、展望
- チューブラー型フォトバイオリアクター
- パネル型フォトバイオリアクター
- 藻類バイオ燃料生産における下流工程と技術開発動向、課題、展望
- 藻類バイオマス収穫 (および脂質抽出) 工程
- 従来の方法
- 電解法
- 膜濾過法
- 超音波法、他
- 藻類バイオ燃料生産工程
- Combined Algae Processing (CAP工程)
- Algal Hydrothermal Liquefaction (AHTL工程)
- 日本における藻類バイオ燃料の実用化