研究開発テーマの選択は、経営層にとって非常に重要であり、選択に至るプロセスの見える化が要請されている。一度選択されテーマ化された研究開発テーマは、毎年研究開発費の投入を余儀なくされる。昨今のように経済状況、技術の進展、技術領域の拡大など環境の変化が劇的に起こる状況では、定期的に研究開発テーマの見直しが必要とされる。しかし、材料系の研究開発などのように、研究開発期間が10年以上掛かる場合には、長期的な視点が必要である。短期・中期・長期の研究開発テーマへの研究開発費の投入バランスが大きな課題である。研究開発テーマの優先付けは、そのテーマ評価により判断されるが、その評価は非常に難しく、絶対的方法が見いだせていない。その評価法の一つとして、技術ポートフォリオがある。技術ポートフォリオは、研究開発テーマ評価の見える化であり、それにより技術出身及び文系出身の経営層が研究開発テーマの選択などに技術経営という視点で参加することができる。
本講演では、技術体系の構築及び技術ポートフォリオを基にして、研究開発テーマを社内で承認できる分析・評価手法及び管理、加えて、見える化の考え方について説明する。
- 研究開発における課題認識と貢献
- 課題認識と貢献の構造
- 研究開発の評価
- フェーズ管理
- 技術の一般的な生産性指標
- フェーズ管理とフェーズ毎のテーマ数及びR&D資源投入量
- バリューチェーンと収益
- バリューチェーンと収益の考え方
- バリューチェーン毎の収益と費用の考え方
- 経営層を説得するための研究開発データの収集と見える化
- ビッグデータとは
- ビッグデータの収集方法
- 研究開発プロセスでのビッグデータ
- 潜在ニーズと顕在ニーズとは
- 潜在ニーズと顕在ニーズの抽出例
- 潜在ニーズの抽出プロセスとデータ収集方法
- 経営層を説得するための研究開発テーマの見える化
- 研究開発テーマ企画書
- 技術テーマの選定と中止、撤退判断の仕方
- 技術ロードマップ
- 経営層を説得するための 研究開発テーマ/プロジェクトの費用対効果の見える化
- 研究開発での収益と費用の考え方
- 研究開発の売上への貢献度の算出
- 技術の生産性指標を用いた費用対効果
- 売上を商品機能に配賦した費用対効果
- 研究開発の各フェーズの費用算出
- 経営層を説得するためのポートフォリオ分析と見える化
- 技術体系
- 技術ポートフォリオ
- 技術ポートフォリオの分析
- 技術体系をベースにした技術ポートフォリオ分析
- 技術ポートフォリオの課題/限界