第1部 半導体製造におけるシリコンウェーハ洗浄・乾燥技術の基礎と課題および最新動向
(10:00~14:45) (11:50~12:30は昼食休憩)
半導体デバイスの微細化に伴い、半導体の製造現場では、パーティクル、金属汚染、ケミカル汚染など様々な微小な汚染物質が半導体デバイスの歩留まりや信頼性にますます大きな影響を及ぼすようになってきています。半導体プロセスはそのすべてが汚染の発生源です。これらの汚染が半導体ウェーハ表面に付着してしまった場合は、洗浄で除去しなければなりません、このため、洗浄工程は、歩留りを左右する重要な工程として、半導体製造プロセスの中に繰り返し登場し、最多の工程となっています。しかし、半導体デバイスの微細化に伴い、洗浄に伴う様々なトラブルが顕在化してきており、従来の洗浄技術にブレークスルーが求められています。たとえば、洗浄時に水の表面で微細パターンが倒壊してしまうために、表面張力がない超臨界流体洗浄・乾燥はじめ様々な新しい手法が密かに検討され生産導入されていますしかし、洗浄技術は、製造現場の歩留まりと直結するため、いままで誰も語ろうとはせず、半導体参考書にもほとんど採りあげてきませんでした。
本講演では、半導体洗浄技術の基礎、現状の課題と解決策、そして世界最先端の最新動向までを、実践的な観点から豊富な事例を交え、初心者にも分かりやすく、かつ具体的に徹底解説します。最近開催された半導体洗浄国際会議での最先端の話題も時間のある限り紹介します。半導体洗浄を学ぶことは、洗浄対象となる半導体製造工程全体を学ぶことでもありますので、この講義を通して半導体プロセス技術の最新情報を得ることができます。
- シリコンウェーハ洗浄・乾燥の基礎
- 半導体製造におけるシリコンウェーハ洗浄の重要性
- 半導体デバイスの製造フロー
- 半導体製造のプロセスフロー
- 半導体微細化の年代推移
- 半導体製造において管理対象とすべき汚染の種類の変遷
- ウェーハ表面汚染の種類とデバイス特性への影響
- 国際技術ロードマップにおける表面汚染管理目標値の見方
- 表面汚染除去のメカニズム
- ウェット洗浄メカニズムのイメージ
- パーティクル除去のメカニズム
- 金属汚染除去のメカニズム
- 有機汚染除去のメカニズム
- ウェーハ洗浄・乾燥手法
- 伝統的なRCA洗浄 (基本条件、シーケンス、ウェットベンチの構成など)
- RCA洗浄の代替・改良例
- クリーンな洗浄の前提条件
- 浸漬式から枚葉スピン式洗浄へ
- 枚葉スピン洗浄レシピ (講演者が開発したSCROD洗浄の詳細)
- 枚葉スピン洗浄の様々な利点
- 枚葉スピン洗浄の最後の課題
- 主な浸漬式洗浄のウェーハ乾燥方式
- マランゴニ乾燥の原理
- ウォータマーク対策
- 主なスピン式洗浄のウェーハ乾燥方式
- 回路パターン付きウェーハ洗浄の現状と課題
- 微細構造・新材料対応の洗浄技術
- 半導体微細化のロードマップ
- 微細化トレンドと新材料の必要性
- 先端半導体洗浄に使用される材料の変遷
- トランジスタ形成工程の洗浄の現状と課題
- high-k/メタルゲート周りの洗浄
- 多層配線工程の洗浄の現状と課題
- Cu/low-k周りの洗浄
- 超微細化に向けたウェーハ洗浄技術の展望
- 超微細構造に向けての洗浄の問題点
(微細構造洗浄における超純水の問題点)
- 純粋の絶縁性
- ウォータマークの発生
- 水の高誘電性
- 水の金属腐食性
- 水の高表面張力による回路パターン倒壊
- 超微細構造に向けての洗浄の問題点
(洗浄時に意図的に加えられる物理力によるパターン倒壊)
- 洗浄時の物理力によるパターン倒壊例
- 洗浄時に物理力を加えざるを得ない背景
- 脆弱な超微細構造にダメージを与えない洗浄技術
- 二流体洗浄、ガス溶存メガソニック洗浄
- HFベーパー洗浄、ドライ洗浄、
- 超臨界流体の原理と乾燥への応用
- 超臨界流体洗浄の先端半導体デバイスへの応用
- レーザー、ナノピンセットなどによる局所洗浄
- 今後の展望と最先端動向
- 超微細デバイスに採用予定の新構造/新材料への洗浄の対応
- 半導体洗浄技術国際会議に見る最新動向
- 世界の洗浄研究陣マップと洗浄国際会議の紹介
- 最近開催された洗浄関連国際会議のレビュー
- 全体のまとめ
第2部 半導体洗浄プロセス・技術・装置の最新開発動向
(14:45〜16:15)
寡占化が進む半導体デバイスメーカーに続き、半導体製造装置メーカーにもその波が来ている状況。機種毎の製造装置メーカーの位置づけ、その中で洗浄装置の状況を確認する。また洗浄プロセスの概要と最新の開発動向についても触れてみる。
- はじめに
- 半導体洗浄装置の市場動向
- 半導体洗浄プロセスの概要と技術課題
- 最新半導体洗浄装置開発の紹介
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