昨今食品の冷凍技術に新しい見方が広がりつつある。これまで凍結装置が着目されてきたが凍結装置のみでは品質を良好にすることはできない。最良の復元性、あるいはそれ以上の食を提供するための技術・理論がある。
本講演ではその根本原理を丁寧に説明する。また、その応用の可能性について具体例を挙げながら、根本原理と照らし合わせながら演習として説明し、各自で応用、新しい発想につなげられるようにしたい。
- 冷凍技術とは
- 冷凍技術とは前処理・凍結と保管・解凍調理のシステムで成り立つ。
それらをシステマティクの組み立てることでで、食材、料理をコントロールする技術。
- 凍結1
- 水の状態・氷結晶生成、過冷却・凝固点降下・濃縮 といった物理化学現象を分かりやすく解説する。
- 凍結2
- 凍結濃縮による組織構造変化・ガラス転移・凍結乾燥;温度が – 18度以下になった場合に起こる諸物理化学現象を説明
- 凍結3
- 凍結装置・伝熱の話・急速冷凍 :凍結するための装置を理解するために必要事項の解説。装置選択の基本
- 保存1
- 氷結晶組織の再構成・乾燥の原理 (包装容器有り無し)
冷凍保存中に起こる諸現象 (物理化学) を解説
- 保存2
- 質的変化・化学反応・酵素反応・タンパク質変性凝集と温度
冷凍保存中に起こる化学反応の説明
- 解凍
- 解凍の伝熱・物理化学的変化・離水の原理・酵素反応
解凍調理方法の種類の解説をする。またそれらの中から解凍と調理の方法の選択は、食材・凍結の段階から決定されることを説明する。
上の進行の中で随時応用事例を入れて素材ごとに注意すべきポイントを説明する。具体的に取り上げる課題は
- 肉類、魚系; 冷凍ステーキ肉・冷凍マグロ刺身 解凍法の選択
- 野菜果物系;マンゴー冷凍、ブロッコリー非ブランチング冷凍、たまねぎ、きのこ類
- 加工品 米飯、パスタ、うどん類の復元性に与える影響
- 加工品 江戸前握りずしの冷凍復元性など
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