UV硬化樹脂の基材との密着不具合、剥離対策 スキルアップセミナー

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本セミナーでは、UV効果技術の基礎から解説し、接着不良対策、密着性向上、表面・界面制御と評価について詳解いたします。

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プログラム

第1部 UV硬化型樹脂:基材との密着不良のメカニズムと対策 (13:00~14:30)

 UV硬化において基材との密着は今でも課題である。基材の性質によって、オリゴマー、モノマーを選択する必要があるがそれ以外にも硬化時の収縮が密着性を低下させる。  この講義では密着不良の原因について解説するとともにその対策法について述べる。

  1. はじめに: UV硬化技術の原理と意義
  2. ラジカル系UV硬化
    1. 光源の選択
      1. 光の基礎
        • 光の分類 : 紫外線と可視光線
        • UV硬化に利用される光
          • UV-A
          • UV-B
          • UV-Cなど
        • 光の波長とエネルギー
      2. 高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオードUV-LED) の選択:
        光 (紫外線) と熱の利用、寿命とコスト
      3. UV硬化における光強度および光源の波長の影響 :
        表面硬化と内部硬化
    2. 開始剤の種類と特徴
      • α‐ヒドロキシアセトフェノン
      • α‐アミノアセトフェノン
      • アシルホスフィンオキシドの構造と吸収波長
      • 開始剤の用い方
      • 開始剤と光源のマッチング
    3. 配合物 (フォーミュレーション) モノマーおよびオリゴマーの特徴
    4. 酸素の硬化阻害と対策
    5. 密着不良のメカニズムと対策
      1. モノマー、オリゴマーおよび溶剤の選択 (溶解パラメーター (SP) )
      2. 硬化収縮とその対策
      3. オリゴマーの選択、モノマーの選択、添加剤の選択
      4. 硬化速度の影響
  3. カチオン系UV硬化
    1. カチオン系UV硬化の特徴と硬化機構
    2. 硬化に利用されるモノマー
    3. 硬化反応の加速:
      • 増感剤
      • オキセタン誘導体とエポキシ化合物
      • ラジカル種のカチオン種への変換
      • カルボカチオンの利用
    4. UV硬化と熱硬化 (後硬化) の利用
    5. モノマーの構造と硬化収縮
  4. おわりに

第2部 UV硬化型コーティング材の付着性向上技術 (14:10~15:10)

UV硬化型コート材の特徴を理解すると同時に、付着性を向上させるための各種方法について報告する。

  1. はじめに
  2. 付着性に関与するUVコート材特有の要因
    1. 硬化時の硬化収縮について
      1. 硬化収縮とは
      2. 硬化収縮の測定方法:比重法による測定方法、ひずみ法
      3. 硬化収縮の一般的な傾向
      4. 硬化収縮を少なくする方法
    2. UV硬化条件と付着性
      1. UV照射条件と付着性の関係について
      2. 膜厚と反応率について
      3. 照射条件の最適化
  3. 付着理論について
    1. 剥離の形態について
    2. 付着の理論
      1. ぬれと付着
      2. 付着理論の概要
        • 拡散説
        • 吸着説
        • 電気接着説
        • 投錨効果説
        • WBL層からの剥離
      3. 各付着の理論をどう考えるか
  4. 付着理論をベースとした付着性向上方法について
    1. プラスチック素材への付着について
      1. 極性の低い高分子素材の場合
        • PS
        • PC
        • PP など
      2. 極性の高い高分子素材の場合
        • ABS
        • PET
        • アクリル樹脂 など
    2. 無機素材 (金属・ガラス) への付着について
      1. 吸着説を利用して付着性を向上させる
      2. 化学結合を利用して付着性を向上させる
  5. 前処理で付着性を向上させる方法について
    1. 一般的な前処理
      1. 脱脂
      2. 研磨ないしブラスト
    2. 難付着性高分子素材 (PET,PPなど) の前処理
      1. フレーム処理
      2. コロナ放電処理
      3. プラズマ処理

第3部 反応性材料を利用した光硬化性樹脂の密着性向上 ~密着性・硬化収縮・機械強度等への影響とその評価~ (15:20~16:20)

 チオール化合物はチオール-エン硬化として知られているが、その硬化及び硬化物特性は、使用するモノマーや添加剤の構造に左右され、複雑な挙動を示す。  本講義では、チオール化合物を添加剤として使用することにより、組成物の硬化挙動をはじめ、硬化物の密着強度、硬化収縮、機械強度等が大きく変化し、反応性材料としての可能性を紹介する。

  1. チオール化合物を用いたUV硬化
    1. チオール化合物の種類
    2. チオール化合物の反応と各硬化システムとの比較
  2. チオール化合物の構造と硬化物特性
    1. 硬化特性
    2. 密着特性
    3. 硬度及び機械的特性
    4. 光学的特性
  3. チオール-エン硬化組成としての挙動
    1. 硬化特性
    2. 硬化物特性
  4. チオール化合物の構造的アプローチ
    1. エーテル骨格の導入と硬化特性
    2. 安定性の向上
  5. チオール化合物の応用例

第4部 UV樹脂との密着性に影響を与える基材表面、界面制御と評価方法 (16:30~17:30)

 UV硬化樹脂は、コストやプロセス速度などの工業的な利点はもちろんのこと、熱硬化等に比べてエネルギー効率が高く、無溶媒系の設計も容易であることから、環境にやさしい技術として、薄膜からバルクまで、接着剤、インク、塗料、電子材料など極めて広範囲で必要不可欠なものとなっている。  そして、プロセス自体のコントロールはもちろんであるが、非着体 (基材) との間の接着性は効果後の性能を左右する極めて重要な要素の一つである。しかし、接着の解析や接着性を左右する表面や界面はその重要度にもかかわらず真の姿を知ることは容易ではなく、特に界面の真の姿を知ることは極めて難しい。  本講演では、接着性に大きな影響を与える表面・界面の真の姿を知るためのアプローチ法と分析、解析の方法を中心にして、重要となる分析手法の原理や特徴も含めて事例も交えながら詳細に解説を行う。

  1. 接着とは
    1. 粘着と接着
    2. 接着を生むもの
  2. 接着を支配するもの
    1. 接着支配因子
    2. 評価法
  3. 接着に支配される現代社会
    1. 接着に支配される現代技術
    2. 表面を支配するには
  4. 接着・剥離分析の考え方
  5. 表面とは
  6. 表面分析の分類
  7. 表面分析成功のキーポイント
    1. 表面分析のタブー
    2. 試料の取り扱い
    3. 表面分析の考え方
  8. UV硬化樹脂の接着を支配するための分析法とその特徴、活用法
    1. 組成を知る
    2. 構造を知る
    3. 形態を見る
    4. 物性を知る
    5. その他
  9. 界面分析のアプローチ
    1. 界面分析のイメージ
    2. 界面評価の重要性
    3. 界面の例と分類
    4. 界面分析のフェーズ
    5. 界面分析の課題と解決
  10. 分析事例

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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