可逆的な接合部や接着部を目的に応じて最適設計するためには、固体間凝着現象を物理的に理解して、それを応用した凝着機構をモデル化することが必須である。 材料 (化学) 的な側面、力学的な側面、もしくは、それらの細部のみに偏った研究は数多くあるが、これらを包括的に取り扱った研究は少なく、これらの分野を横断して解説された教科書等も無い。講師らは分野横断的な観点から、凝着現象を支配する機構に注目した研究を行ってきており、それに基づいて、様々な把持・脱離デバイスを試作している。 本講座では、その基礎となる物理を分かりやすく説明し、様々な把持・脱離デバイスの設計指針を説明するとともに、いくつかの試作例を紹介する。また、それらの延長線として、固体間凝着現象のさらなる活用のための課題や今後の可能性にも触れる。