第1部 表面改質を施した金属と熱可塑性CFRPの接合性向上
(2019年1月18日 10:30〜12:00)
近年、航空機や自動車等の輸送機器の軽量化による省燃費化を図り、CO2排出を削減する環境保全対策が進められています。これを受けて、量産自動車の一次構造部材に熱可塑性CFRPを採用すべくマルチマテリアル化が検討されています。しかし、金属材料と熱可塑性CFRPとの接着性が悪いことが課題となっています。
そこで、本講演では、新しい技術としてナノ構造を有するアルミニウム合金と熱可塑性CFRP積層板の異種材接着技術について紹介します。
- はじめに
- アルミニウム板表面の微細構造作製
- シランカップリング処理
- 試験片接着方法
- 接着強度の測定
- 接着部の破面観察
- 接着部の非破壊評価
- まとめ
第2部 熱可塑性CFRPの熱膨張を利用した金属との接合技術
(2019年1月18日 12:45〜14:15)
異種接合技術を開発した経緯と技術の詳細を説明する。また、今後の製品展開や、 加熱膨張のメカニズムについて説明する。
- 背景
- CFRP・CFRTPの異種接合
- 接合技術の開発
- 熱膨張を利用した接合
- CFRTPとアルミニウム合金の接合実験
- エポキシ系接着剤による接合強度の比較実験
- テーパー溝による接合強度の向上
- CFRTPとテーパー溝を用いたアルミニウム合金の接合実験
- 接合メカニズムと考察
- CFRTPの加熱による膨張
- CFRTPの加熱と熱膨張率
- 膨張による荷重の測定実験
- 曲げ強度の測定
- 3点曲げ試験
- まとめと今後の展開
- まとめ
- 今後の展開
第3部 繊維複合材料/金属の一体成形技術と接合強度の向上、評価
(2019年1月18日 14:30〜16:00)
繊維複合材料/金属ハイブリッド構造は剛性向上と軽量化を同時に実現するための方法であり、船舶、橋梁、自動車構造において広く採用されている。繊維複合材料の性質上、継手の少ない構造が望ましいが、ハイブリッド構造では、異種の材料または部材の接合が必要不可欠であり、ハイブリッド構造本来の機能を発揮するために、軽量、高強度、高信頼性の繊維複合材料/金属接合方法が望まれている。
本講座で、その最新の方法と評価について紹介する。
- ボルト/接着のハイブリッド一体成型継手
- 強度向上メカニズムと破壊プロセス
- 継手成形方法
- 継手強度評価
- 金属表面加工による一体成型継手強化
- 抜き打ち加工
- ディンプル加工
- 金属形状加工による一体成型継手強化
- スカーフ・フィンガー一体成型継手
- tongue-and-groove一体成型継手
- 特殊加工による一体成型継手強化
- IAFによる強化とその評価
- ピンまたは突起による強化とその評価
- 接着性表面作製のためのインモールド複合材表面処理
- ナノインプリントリソグラフィによるインモールド表面処理
- 表面形状と接着継手強度