本セミナーでは、高分子絶縁破壊・劣化の原因と対策について詳解いたします。
(2018年12月18日 10:00〜12:00)
絶縁材料には気体、液体、固体ならびにゲルさらには複合誘電体など種々のものが使用されている。ガス自体の絶縁劣化は実用上無視できるが、これ以外の材料では、物理的、化学的、機械的作用を受けて劣化が進展し、最終的には絶縁破壊に至る。 本講演では、絶縁破壊メカニズムを説明した後、部分放電や材料特性に着目した最新の高電圧計測について述べる。特に、最近進歩の著しい部分放電計測ならびにインパルス試験の最新動向について紹介する。
(2018年12月18日 12:50〜14:50)
近年、注目を集めている直流高電圧 (HVDC) 送電網に使用される機器等の絶縁設計を行う際に、何が問題となり、どのようにその問題解決を試みるかを実例をもとに解説する。 高分子絶縁材料が、直流高電界に曝された場合に、どのような 現象が発生し、 何が問題になるのか、また、それを避けるためにどのような対策が、取られようとしているのかを知ることができる。
(2018年12月18日 15:00〜17:00)
今後、環境の新規制によって世界的にガソリン車から電気自動車 (EV) へのシフトの加速が予想される。EVのインバータ駆動モータの開発では、小形軽量化とともに、高電圧化による高回転・高出力化が進められている。過酷な使用条件下における新エネルギー車の高い安全性の確保のためには、モータの絶縁性能の確保が要求される。しかし、インバータ駆動モータ特有のサージと呼ばれる立ち上がりの急峻なインパルス電圧により部分放電が発生し、それがモータ絶縁システムを劣化・破壊を引き起こす。そのため、その対策と評価技術が重要な課題となっている。 インバータサージによる部分放電を発生させないことが最も重要であるが、様々な環境要因 (気圧、温度、湿度) によって部分放電が発生する電圧が大きくばらつく。この様な複雑な部分放電を良く理解し、その上で有効な対策を取ることが求められる。特にEVモータでは、部分放電が発生してもすぐには事故にならないようにナノコンポジット技術を使った耐サージ巻線がモータに使用されている。 その優れた特性および実機モータを使った評価試験を例にとり、インパルス部分放電計測の方法についてわかりやすく紹介する。