本セミナーでは、車載ミリ波レーダの普及に対応するミリ波用の電波吸収体や遮蔽材、透過材の設計・開発でおさえておきたい知識について解説いたします。
車載ミリ波レーダが普及し始めたことに伴い、ミリ波用の電波吸収体や遮蔽材、および透過材の需要が高まりつつある。 本セミナーでは、車載用ミリ波レーダ (76GHz、77GHz~81GHz) を対象とする電波吸収体、電磁遮蔽材、透過材について、基礎的な理論と設計法を解説する。電磁波吸収や遮蔽などの分野について必ずしも専門ではない方々を対象にする。 先ずこれらの設計に必要な範囲の電波伝搬、伝送線路、電気回路の基礎事項をまとめる。次に、吸収・遮蔽材や透過材の構成材である導電材や人工誘電体の扱いを解説する。高誘電率や負の誘電率などの特性を示す人工誘電体は、電磁波吸収、遮蔽材や透過材の構成材として使用されており、これらの設計に重要である。電波吸収体については、各種吸収体の概略をまとめ、基本的な構成法を説明する。次に、単層構造や2層構造吸収体などに導電材や人工誘電体を取り入れた整合法など解説する。2層構造の電波吸収特性シミュレーション、吸収体実用化例を紹介する。電磁遮蔽材については、導電性と遮蔽特性の関係をまとめ、導電材板のマイクロ波~ミリ波遮蔽特性を述べる。 次に、導電材/人工誘電体積層構造、誘電体/人工誘電体積層構造の遮蔽特性などを紹介し、実用化例を紹介する。透過材は、一般にレドーム材 (レーダ前面に設ける全透過特性を示す板) と称されているが、今後はレーダ前面に限らず、需要が高まる可能性がある。一般に誘電体板は、非常に薄い場合、および特定厚みを除いては、損失がなくても入射波をなにがしかは反射する。ここでは誘電体板の透過特性、および人工誘電体との積層による無反射/全透過構造を紹介する。