本セミナーでは、EV向け主機モータの小型化・高出力化技術動向と次世代のモータとして注目を集める可変界磁モータの技術動向を解説いたします。
本セミナーでは、電気自動車用モータ (EVモータ) を想定した永久磁石可変界磁モータについて説明する。可変界磁によりモータの小形高出力広範囲高効率駆動化を実現する方法について解説する。 まず、本セミナーの概要を説明するとともに本研究の位置付けについて言及し、永久磁石可変界磁モータに至るモータ開発の背景と現在の問題点を示す。次に、小形で効率が良い埋込磁石同期モータ (IPMモータ) をベースに、様々な構造の永久磁石可変界磁モータを検討し、その結果より提案する2種類の新構造永久磁石可変界磁モータに至る研究の経緯を説明する。さらに新技術として、「磁束集中IPMモータ」、「加圧成形コイル」と「高強度鋼板ロータコア」を紹介するとともに、永久磁石可変界磁モータの広範囲高効率駆動について検討した結果を述べる。広い可変速範囲のそれぞれの回転速度において、界磁の強さや電流位相角をどのような値にすれば最大出力制御が達成できるのか、また、それぞれの出力状態において、界磁の強さや電流位相角をどのような値にすれば最大効率制御が達成できるのかを明らかにする。最後にEV用永久磁石可変界磁モータとして、可変機構付永久磁石可変界磁モータや界磁の強さが負荷トルクに応じておのずから変化する簡易可変界磁モータの実例について説明する。 可変界磁モータは界磁の大きさを可変できるため鉄損の増大に囚われず磁力の強化が可能で、これによりモータの高出力化が可能となる。本セミナーが今後のモータの小形高出力化、広範囲高効率化に貢献できれば幸いである。