第1部 電波吸収体、遮蔽材/透過材の基礎と評価法
(10:00~11:30)
最近、自動車関連の電磁環境整備のために、低周波帯の磁界遮蔽やミリ波レーダ帯域の電波吸収体、透過材などに関心が高い。本講演では吸収体、遮蔽材や透過材設計の基本手法、評価法などを解説する。電波吸収体、遮蔽材、透過材について、基礎的な考え方や物理的イメージを習得することを重視する。
- 電波吸収体、電磁遮蔽材/透過材
- 電波吸収体、電磁遮蔽材/透過材概略
- 電波伝搬、反射と透過、および各種材料の等価回路
- 電波伝搬の基礎、損失媒質中の電波伝搬、反射係数と透過係数、伝送線路モデル
- 導電材、磁性材、誘電体、人工誘電体などの等価回路
- 電波吸収体設計の考え方
- 電波吸収材料、整合条件を満たす構成法、電波吸収特性シミュレーション
- 電磁遮蔽材設計の考え方
- 各種の電磁遮蔽手法、遠方界と近傍界
- 導電材を用いる遠方界電磁遮蔽特性シミュレーション
- 近傍界磁界遮蔽について
- 電波吸収体、電磁遮蔽材評価法
第2部 自動車用電子機器における電磁波ノイズ対策の考え方
(12:10~13:40)
自動車では電動車両化・自動運転化の趨勢にあって、大電力化と信号の高速・高周波化が進み、電子機器の耐ノイズ設計は広い周波数範囲に渡ってますます厳しくなる一方です。ここでは、自動車を取り巻くノイズ環境と電子機器などで発生するノイズの種類や伝播の概要について述べ、その上で、流入出ノイズを増大させ難い回路基板設計と筐体構造の概要について触れ、電磁シールドの実施と弊害、電波吸収帯の取り扱い、シールド線の取り扱い等について事例を含めて考察します。
- 自動車用電子機器独特の問題とEMC設計への構え
- 電動車両化と自動運転化がもたらすEMC問題への影響
- 車体の電気的特徴 ・車載電子システムから発生するノイズとその流れ
- 電子機器単体と車両搭載状態との課題の切り分け
- 回路基板設計のポイント
- 配線の運ぶノイズ電力の物理的考察
- 伝導ノイズ流入出の抑制事例と考察 (グラウンドパターンとクロストーク)
- パターンと層構成などの考察
- 回路基板の筐体への装着とシールド技術
- 金属筐体による放射の抑制と伝導流入出ノイズに及ぼす影響の考察
- 重要回路部分へノイズが侵入し易い筐体構造とその対応
- 放熱設計に関わる問題への対応
- 車両搭載時のエミッション問題とイミュニティー問題の事例と考察
- 車両ワイヤハーネスとの関わりとシールド技術
- 自動車内におけるワイヤハーネスと対ノイズ性能確保の課題
- シールド線の使用における課題 (1点接地と多点接地、不整合の問題と改善策)
- HEVの各種システム構成とシールド事例
第3部 電磁波シールド塗料の設計・特性とフレキシブル材料への対応
(13:50~15:20)
“塗料”の特長である形状や膜厚の高い任意性を活用することにより、これまで電磁波シールドにおいて課題とされていた複雑形状や細部に至るまでのわずかな隙間からの漏洩を効果的に抑制することができる。更に、現在広く利用されている様々な電磁波シールド技術と複合的に用いることにより、総合的にシールド効果を向上できる可能性について論じる。
- シールド塗料の設計
- 電磁波シールドのメカニズム
- 電磁波シールド塗料の紹介
- 電磁波シールド塗料のシールド特性
- 電磁波シールド塗料の適性基材
- 電磁波シールド塗料の使用例
- 部品シールド用導電性ペーストの紹介
- 磁気シールドのメカニズム
- 磁気シールド塗料の紹介
- 磁気シールド塗料のシールド特性
- 磁気シールド塗料の適性基材
- 磁気シールド塗料の使用例
- ミリ波吸収塗料の紹介
- “塗料”のEMI/EMC対策における有効性
- 今後の展望
第4部 電波吸収体、シールド材料含めた応用展開 /市場動向
(15:30~17:00)
携帯電話等を筆頭に情報通信・物流・製造・セキュリティの現場において、無線通信有線通信に取って代わりつつある。電波吸収体、シールド材料はこれら無線通信分野の機器、インフラの市場において、ソリューションを提供するための要素技術である。そのため、今後非常に大きな需要が見込まれている。本講ではその市場規模や今後の可能性について言及する。
- 電波吸収体とシールド材料
- 電波吸収体の種類と用途
- ノイズ抑制シートの種類と用途
- 電磁波シールドシートの種類と用途
- 新しい電波吸収体・ノイズ抑制シート・シールド材料の市場
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