本セミナーでは、全固体電池の内部抵抗発生の要因とメカニズムから具体的な低減技術まで詳しく解説いたします。
(2018年12月4日 10:30〜12:10)
電気自動車の普及に向けて、より安全で信頼性の高い次世代蓄電池の出現が強く望まれている。硫化物型全固体リチウム二次電池は、とりわけ実用化に向けての研究が加速している次世代電池系である。
ここでは、まず硫化物型全固体電池の特徴と最近の研究動向について紹介し、結晶、ガラス、ガラスセラミック電解質の電気的性質、機械的性質、大気安定性について説明する。また、リチウムイオン電池を全固体化する際の課題や対策について、固体-固体界面構築やプロセス探索を中心に説明する。
さらに、次世代全固体電池としての高容量リチウム-硫黄系全固体電池を紹介し、その将来展望について述べる。
(2018年12月4日 13:00〜14:40)
民生用小型電池から電気自動車搭載用途などへの大型蓄電デバイス需要拡大に伴い、リチウム2次電池は世界で激しい研究・開発競争に晒されている。そのなかで、次世代型として期待される全固体リチウム電池が実用化されるためには高出力化という課題があり、電池部材間の界面抵抗を低減することがその課題解決の鍵を握っている。我々は全固体リチウム電池の界面抵抗低減に向けて、理想的なモデル薄膜電極を作製し、界面抵抗起源探索の研究を行っている。この基礎的な研究アプローチから、理想的な固体電解質/電極界面において、実用化されている液系電解質を用いたリチウムイオン2次電池を凌ぐ超低抵抗界面が形成できることを見出してきた。 本講座では薄膜を利用した固体電解質/電極間の界面抵抗低減技術を紹介する。
(2018年12月4日 14:50〜16:30)
リチウムイオン二次電池の信頼性・安全性を向上し、コンパクト化を可能にするためには、全固体化が必須であり、優れた固体電解質の開発とその量産技術が望まれている。 本セミナーでは、先ず、硫化物系固体電解質の導電率を高めるための取り組み、液相から硫化物系固体電解質ナノ粒子を合成する方法、得られた電解質を用いた全固体電池の特性を紹介する。次に、電気泳動堆積法によって硫化物系固体電解質厚膜および正極活物質厚膜を集電体上に形成する方法と正極複合体厚膜の微構造制御に関する研究成果を詳しく説明する。