かゆみの病態モデル作製と抗体医薬を含む新薬開発の展望

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

本セミナーでは、かゆみを惹起する物質・メカニズム、NCマウスでなくともアトピー性掻痒を評価する実験方法、かゆみの病態モデル作製と抗体医薬を含む新薬開発の展望について解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部. 難治性掻痒症治療薬の研究開発

(2018年11月28日 10:00〜12:00)

 痒みは身近な感覚であるにも関わらず、その発生機序などが明らかになってきたのはごく最近のことであり、それ故に痒みに対する治療薬も十分に備わっていないのが現状である。 痒みの基礎研究に関する最近の知見を紹介しつつ、そのメカニズムに触れ、痒みを抑制するためのアプローチを紹介したい。 本セミナーでは痒み治療薬に関する最新の臨床開発動向を紹介し、PDE4阻害剤の痒み抑制作用を見出しアトピー性皮膚炎治療薬に応用した演者の経験を踏まえて、動物モデルを用いた痒みの評価方法についても言及したい。

  1. はじめに
  2. 痒みの基礎
    1. かゆみとは?
    2. かゆみの神経生理学
    3. かゆみのメディエータ
    4. かゆみ治療の現状 (国内及び海外)
  3. 新しい痒み治療の可能性
    1. 痒み治療のための新規アプローチ
    2. 痒み治療薬の開発動向
  4. 痒み治療薬の開発に際して
    1. 痒みの動物評価モデル
    2. 痒みモデルを用いた薬物評価事例

第2部. 皮膚炎モデル動物の作製

(2018年11月28日 12:45〜14:45)

 アトピー性皮膚炎の病態を考えると病態モデルとして妥当なのは自然発症皮膚炎動物のNCマウスと考える。その根拠として、掻痒誘発物質であるIL-31の発現と痒覚過敏の発現がある。ところがNCマウスは汚染動物の為、飼育できないという研究施設もあるが、NCマウスを使わなくてもアトピー性掻痒を評価出来る実験方法を中心に口演を行う。

  1. 皮膚炎モデル動物
    • 接触性皮膚炎モデル (TNCB誘発皮膚炎)
    • 自然発症皮膚炎モデル (NC/Ngaマウス)
  2. 掻痒誘発物質としてのIL-31の特異性
    • 掻破行動の測定
    • 掻痒誘発物質皮内注入による掻破行動
    • IL-31誘発掻破行動
  3. 痒覚過敏の発現
    • 痒覚過敏 (Alloknesis) とは何か?
    • 痒覚過敏の改善
  4. 無菌物質を用いたアトピー性掻痒の評価
    • BALB/cマウスを用いたアトピー性掻痒評価
    • 抗ヒスタミン薬の効果
    • ステロイド剤の効果
    • プロトピックの効果
  5. 痒覚過敏の生理的意義に関する考察
    • 掻痒過敏と疼痛の関係
    • 疼痛過敏の改善

第3部. かゆみに対する新規医薬品の有効性と展望

(2018年11月28日 15:00〜17:00)

 皮膚を掻きむしりたくなる不快な感覚を、かゆみ、という。かゆみの本来の働きは、皮膚に侵入しようとする有害物を、払いのける行動を誘発することである。しかし、か過剰なかゆみは、皮膚のかきこわし (掻破) による皮膚バリアの破壊を惹起し、それが皮膚炎をさらに悪化させる。 アトピー性皮膚炎のかゆみは、現在の抗ヒスタミン薬 (H1受容体阻害薬) では制御できず、ヒスタミンH1受容体以外の経路が関与すると推測される。近年、IL-4、アルテミン、IL-31、TSLP (thymic stromal lymphopoietin) などが、かゆみ刺激を惹起することが明らかになった。臨床でも、抗ヒトIL-4受容体α抗体 (dupilumab) や抗ヒトIL-31受容体A抗体 (nemolizumab) が、かゆみを抑制することが確認されている。  本セミナーでは、かゆみのメカニズム、現在開発中のかゆみ抑制薬について解説する。

  1. かゆみのメカニズム
    1. かゆみを惹起する物質
    2. かゆみを伝達する感覚神経
    3. かゆみ過敏状態 (アロネーシス)
  2. かゆみを主訴とする主な皮膚疾患
    1. 蕁麻疹
    2. アトピー性皮膚炎
    3. 類天疱瘡など
  3. かゆみに対する新規医薬品
    1. 抗IL-4受容体α抗体
    2. 抗IL-31受容体A抗体
    3. その他

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
株式会社 技術情報協会の地図

受講料

複数名同時受講割引について