~欧米の最新動向を交えて~
(2018年11月21日 10:00〜14:15)
近年、輸送機器の軽量化を目的に、鋼から軽金属、さらに樹脂化へ材料代替が積極的に進められています。特に、軽くて強いというキャッチフレーズで、炭素繊維で強化したプラスチック (CFRP) に大きな注目が集まっており、旅客機に加え、量産車への採用が始まっています。しかし、材料および製造コストが高くその用途拡大は容易なことではありません。 欧米が先行しているCFRPに未来はあるか?参入すべきかどうか?CFRPにおける我が国の強みと弱み何か?CFRPの量産・再利用において熱可塑性CFRPは有用か?CFRPを安く提供するには?ガラス繊維はどうか?金属とCFRP、金属と樹脂との接合はどうか?マルチマテリアル化に必要な接合とは?軽量化コストやリサイクル、CFRP製品設計技術と人材など、課題が山積しています。 本講座では、熱可塑性CFRPの材料や特性、量産化のための様々な製造技術、さらに熱可塑性CFRP特有の融着接合法について、欧州での最新事例と演者らが行った産学連携による研究開発事例を紹介し、今後の熱可塑性CFRPの用途拡大への解決策と自動車産業におけるCFRPの近未来を予測します。 今回は、特に欧州での最新事例として、2016年から2018年にパリで開催された世界最大規模の複合材料に関する展示会 (JEC World 2016、2017、2018) の話題とその変遷に加え、2016年と2018年に開催された欧州複合材料学会 (ECCM-17、ECCM-18) 、2016年と2018年にブレーメンで開催される熱可塑性CFRPの国際会議・展示会 (ITHEC2016、ITHEC2018) 、さらに今年9月に米国で開催されたSPE主催の自動車用複合材料会議・展示会 (ACCE2018) で発表された最新の研究成果をわかりやすく紹介します。
(2018年11月21日 14:25〜15:35)
炭素繊維強化プラスチックは既に航空機に採用され、自動車市場までに拡大してきている。現在主流となっているのは熱硬化性CFRPであるが、熱可塑性CFRPも多分野への応用が注目されている。両者の成形プロセスは異なるものの、いずれも加熱プロセスを要し、製品品質や生産速度を決める重要な要素となっている。 当社では、CFRPプレプレグ加熱プロセスに赤外線システムを提供しており、欧州を中心に多くの実績を持つ。自動車の軽量化を題材に他材料のトレンドの紹介も含め、炭素繊維強化プラスチックにおける貢献する赤外線技術を紹介する。
(2018年11月21日 15:50〜17:00)
新規の熱可塑性コンポジットマトリクスとして、現場重合型のアクリル系マトリクス樹脂を紹介する。既存の熱硬化性樹脂の成形法を用いてコンポジットを作成することができ、また硬化後のコンポジットは熱可塑性であるため、熱曲げ、融着、リサイクル性などの特徴を生かすことができる。