近年、流通管理が不十分で医薬品の品質不良を起こしたり、正規流通網への偽造薬の侵入、横流し、不正表示、期限切れにより、最終消費者である患者に医薬品の品質を保持したまま届けられなかったという事例が世界的に認められている。また、今後、生物学的製剤のように特別な管理が求められる高価な製剤が増加することも予想される。これらの製剤は、これまで以上の温度管理のような品質維持が求められる他、盗難や不正流通、偽造の対象となる可能性が高いので厳重な管理が必要である。
厚生労働科学研究を基に、日本版GDPガイドライン素案が提示されている。パブコメも終了しており、近く最終版が発出されるものと思われる。日本版GDPガイドライン素案の概要についても解説する。
- GDPの現況と背景
- GDPの必要性
- 医薬品が患者さんに届くまで
- 国策としてのGDP
- 日米欧における物流管理規制
- GDPの背景となった不適切な事例
- ヘパリン事件
- 偽薬問題とロゴ管理
- 温度管理の不適切事例
- 日本で発生した偽薬問題
- 2018年以降の動向
- 日本版GDPガイドライン素案の概要
- 求められていること
- 日本版GDPガイドライン素案の主条文解釈
- 医薬品倉庫の管理
- GMP管理
- ゾーニング
- 倉庫の衛生管理
- 防虫・異物の管理
- 温度マッピング
- 倉庫のセキュリティ対策
- GMP適合性調査時の不適合事例
- 主な調査対象
- 主な指摘事項
- 出荷の管理
- 出荷判定
- GMP/GQPとGDPの関連性
- 製造販売業者による市場出荷管理
- サプライヤ管理
- サプライチェーンマネジメント
- 仕入先の適格性評価
- 販売先の適格性評価
- 海外サプライヤの選択と管理
- 供給者管理の手順
- トレーサビリティー
- ISO28000について
- QAが担う役割と留意点
- QAによる監査 (倉庫・物流業者)
- 逸脱管理
- 教育訓練
- 求められる管理レベル (GMP)
- 求められる管理レベル (GDP)
- 医薬品物流体制の構築
- 医薬品輸送に関するユーザー要求仕様書 (URS) 例
- 逸脱管理
- 今後の課題