粉体化粧品の使用感の評価・制御と応用

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本セミナーでは、塗心地・触り心地・持続性等、粉体化粧品の使用感・機能を制御するための粉体技術や官能評価・機器分析、紫外線・近赤外線防御効果と使用感の両立について、商品開発の実績に基づき、実際の粉体原料を用いた実験実習を交えて詳しく解説いたします。

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プログラム

このところファンデーションの要望が高まっています。最近の日本人の肌はきれいになり、ファンデーションに求められるメイク効果にはタルクの隠ぺい力や雲母の光沢感、セリサイトのクリーミィ感だけでなく、くすみのない透明感のある明るい素肌感を演出する合成マイカの光学的効果を活用する処方技術を習得する必要があります。同一の原料から仕上げた合成マイカ化粧料でも、アスペクト比と形状を変えるとファンデーションの外観は劇的に変わります。また、粉体の表面処理により心地よい塗布感や持続性も大きく変化します。  本講座は、ファンデーションに用いられる体質顔料や着色顔料、紫外線散乱剤などの無機粉体や有機成分の化学構造と形状に基づく物性・機能によるメイク効果のメカニズム・課題等を解説すると共に、使用感効果を機器評価により数値化する手法について、商品開発の実績に基づく技術解説と実際の粉体原料を用いた実験実習を通して理解を深めます。  また、これらの機器評価方法を用いた開発事例として、ファンデーションの処方や配合量を変えずに紫外線防御剤の均一分散性を改良することでSPFを高め、使用感の心地よさを改善する複合粉体や加工プロセスの要点を解説します。

  1. ファンデーションの粉体技術と市場動向
    1. 日本人の肌環境の変化とファンデーション人気復活の兆し
    2. 使用動作と使用感の知覚要素
    3. メイクアップ化粧品と粉体技術;体質顔料・着色顔料・光学的微粒子・結合油剤
    4. 機器評価による使用感の改良方法
    5. 近未来の化粧品開発におけるICTと人工知能の役割
  2. 粉体化粧品の使用感の官能評価と機器分析の基礎
    1. テカリ感と透明感のある明るい肌のツヤとマットな隠ぺい力をもたらす粉体の違い
    2. アスペクト比と粉体形状係数
    3. フワッと軽くのびる粉体の心地よさと嵩密度と動摩擦係数
    4. 均一にのびてピタッとつく付着力と分散性と結合油剤の影響
    5. 隠す効果とぼかす効果の光学的機能の差異と粉体形状と屈折率の関係
    6. 化粧くずれを防ぐ持続性の官能指標と粉体の物性機能
    7. ファンデーションの皮脂濡れによる外観の変化と撥水撥油効果をもたらす表面処理
    8. 粉体化粧品の保湿力の評価
    9. 製品開発に用いる機器分析の常用項目
  3. 肌の光老化防御と紫外線・近赤外線の遮蔽技術の設計方法
    1. 紫外線・ブルーライト・近赤外線による肌の光老化と防御剤の特徴
    2. SPFとPA
    3. 紫外線・近赤外線遮蔽複合粉体の設計と使用感の改良
    4. 湿式充填プレス法と乾式粉砕プレス法の特徴
    5. 湿式スラリー複合化と撹拌乾燥・溶媒回収工程の1ステップ連続処理プロセス
    6. 処方を変えずに紫外線・近赤外線防御効果を高め、 使用感を改善する粉体加工プロセス技術の要点
  4. 実験実習:粉体物性の機器評価と官能評価
    1. 粉体原料と製品ケーキの嵩密度
    2. 落下強度試験
    3. 粉体の色 (L*, a*, b*) と光沢と隠ぺい力
    4. 粉体の濡れ性
    5. 肌スコープを用いる粉体表面の接触角測定による撥水度と撥油度の評価
    6. 粉体の吸油量
    7. 粉体の滑らかさ
    8. 粉体表面処理による複合化と評価方法

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

受講料

持参品

実際の粉体原料を用いた実験実習を行うため、白衣など服の汚れを防ぐもののご持参をおすすめいたします。

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