実験計画法は、少ない実験回数で多くの構成要素が関係する現象の解析が可能です。その解析方法を使うと、本来、数千通りの実験が必要な場合でも、数十通りの実験回数で、構成要素間の最適な組合せ (因子ごとの最適条件) を見つけることが可能です。しかしながら、解析の前提として構成要素の組合せ効果が線形モデル (構成要素の影響が足し算で構成された単純なモデル) にもとづくことを前提にしており、構成要素が複雑に絡みあう製造業の開発では、最適条件の推定が外れることが多々ありました。
本セミナーでは、まず、実験計画法の原理と問題点の解説を行います。その上で、実験計画法の問題点を補うために人工知能の一種であるニューラルネットワークモデル (超回帰式) を併用した、製造業の開発により適した非線形実験計画法を解説いたします。実験計画法の導入を考えている初学者の方、これまで実験計画法や応答曲面法、品質工学 (タグチメソッド) を使ってみたが上手く行かなかったという方々に、具体的な解決策を詳細に説明します。
なお、非線形現象をモデル化 (数式化) するニューラルネットワークモデルを、Excel上で簡単に構築する方法もデモンストレーションを併用して解説いたします。
- はじめに (アイスブレイク)
- 受講者の習得度ヒアリング
- すでに実験計画法または品質工学、使ったことがある方
- 実験計画法を使ってみて、効果がなかった方
- 実験計画の問題点をすでに知っている方
- 典型的な既存の開発方法の問題点
- 解説用事例 洗濯機 振動課題の説明
- 既存の開発方法とその問題点
- ※上記の事例は、業界を問わず誰にでもイメージできるモノとして選択しており、洗濯機の振動技術の解説が目的ではありません。
- 実験計画法とは
- 実験計画法の概要
- 本来必要な実験回数よりも少ない実験回数で結果を出す方法の概念
- 分散分析とF検定の原理
- 実際の解析方法
- 実験計画法の原理的な問題点
- 検討要素が多い場合の実験計画
- 実験計画法の実施手順
- ステップ1 『技術的な課題を整理』
- ステップ2 『実験条件の検討』
- 直交表の解説
- ステップ3 『実験実施』
- ステップ4 『実験結果を分析』
- 分散分析表 その見方と使い方
- 工程平均、要因効果図 その見方と使い方
- 構成要素の一番良い条件組合せの推定と確認実験
- 解析ソフトウェアの紹介
<実験計画法の解析 実演>
- 実験計画法の問題点
- 推定した最適条件が外れる事例の検証
- 線形モデルと非線形モデル
- 非線形性現象に対する2つのアプローチ
- 実験計画法の問題点解消方法 ニューラルネットワークモデル (超回帰式) の活用
- 複雑な因果関係を数式化するニューラルネットワークモデル (超回帰式) とは
- ニューラルネットワークモデル (超回帰式) を使った実験結果のモデル化
- 非線形性が強い場合の実験データの追加方法
- ニューラルネットワークモデル (超回帰式) 構築ツールの紹介
- ニューラルネットワークモデル (超回帰式) の構築 実演
- ニューラルネットワークモデル (超回帰式) を使った最適条件の見つけ方
- 直交表の水準替え探索方法
- 直交表+乱数による探索方法
- 遺伝的アルゴリズム (GA) による探索方法
- 確認実験と最適条件が外れた場合の対処法
- その他、製造業特有の実験計画法の問題点
- 開発対象 (実験対象) の性能を乱す客先使用環境を考慮した開発
- 客先使用条件による動的な変化を矛盾なく解析する方法
- 客先使用環境を考慮した開発実験方法 品質工学概要
- 学習用 参考文献 紹介