第1部 火災・事故事例に学ぶリチウムイオン電池における発火、爆発などの事故原因解析と品質管理、安全対策 (EDLC、TFCを併用した新BMS) 技術の実際
(2018年10月25日 10:00〜11:30)
海外の電池事故は、特に国策で電池開発に取り組んでいる中国などでは検閲対象となっており、一般報道されることは少なく、電池開発を国家プロジェクトにしている国における電池に関わる火災や事故報道などは、情報が外部に出ない、出ても直ぐに削除されることが多い。
工場、自動車、輸送など、日本国内の普通の調べ方では観ることのできない電池に関する事故情報を、国際的な保険会社のアドバイザーである講師の情報ストックから解説。事故原因の分析と、材料メーカーや製造装置メーカーとしての技術改善および (責任範囲や補償などを含めた) 事故リスク対応の指針となる講座を目指します。
- 概要、自動車用LiB電池の最新の世界動向
- 二次電池の展望
- 日経 (NE) の全個体電池の展望
- Panasonic/Tesla motorsの動向
- 中国の最新EV動向
- 電動動向
- 大型バス、電車へのEDLCの実用化動向
- ここ最近発生しているリチウムイオン電池の膨張、発火、爆発の事例と傾向の分析
- 電池火災事故の過去に学ぶ
- Ni – mH電池の火災事故例
- 火災の原因と対策
- 日本、韓国、中国でのLiB電池製造工場の火災、爆発例
- S社、P社の火災例
- 各種LiB電池の過去の火災事故例
- 中国でのバス、自動車の発火例
- 米国、A123社の2007年、2011年の火災例
- 韓国LiB電池の火災例 (空輸の事故、LG化学のGM社での火災事故)
- ロシアでのLiB電池事故例
- 米国:Tesler Motor社でのLiB電池の無事故例
(安全設計された電池と回路では、燃えない)
- 膨張、発火、爆発が発生する原因の分類
- 過去に学ぶ:Ni – mH電池の火災と安全対策の現状
- 材料品質、製造、梱包、荷役、陸送、海送運搬での留意点
- 包装、梱包、荷役、陸送、海送での安全規格
- 包装、梱包、荷役、陸送、海送の各種国際規格
- LiB電池の不純物対策
- 安全性、安全対策の現状と今後の技術
- 発火要因の解析と対策
- 構成材料の純度、粒度管理 (電池原材料)
- 製造工程での不純物混入説 (メッキ、バリの脱落)
- 製造工程の工程改善効果
- LiB電池構成材料の改善と特性改善対策
- セパレータの特性改善と新材料
- 各種セパレータの新構成
- 低抵抗、高耐圧用新電極構成方法
- 高速電解液注液方法
- 最新の各種安全弁対策
- 電池メーカー各社の安全対策手法の比較
(EDLC、TFCを併用した電池の安全性改良と長寿命化)
- スマートフォン用電池
- 自動車用電池
- 定置用電池
- 他
- 電池の長持化と安全弁対策 (最近のスマートフォン他)
第2部 リチウムイオン電池の安全設計に必要な電池発熱のメカニズムおよび評価法
(2018年10月25日 12:10〜13:30)
- 電池の熱問題
- 熱暴走
- 高温における劣化加速
- 電池の熱力学
- 電池反応熱
- 分極発熱
- 副反応
- 充放電時の発熱挙動
- 熱測定による発熱測定
- 活物質の相変化と熱挙動
- 充放電電圧のヒステリシスと特異的な発熱挙動
- 交流印加時の発熱挙動
- 過充電時の発熱挙動
- 発熱挙動解析
- 過充電時の反応解析
- 今後の展望
第3部 高容量化に向けたリチウムイオン電池の安全性向上
(2018年10月25日 13:40〜15:10)
電池の高容量化に伴い、その熱安定性は大幅に低下する。この課題を解決するには、電池パック構造・電池制御だけでなく、安全の本質である電池材料を対策する必要がある。特に正極材料の熱安定性を向上させることが重要である。
本講では、高容量リチウムイオン電池の発火機構と安全性向上の考え方を電池パック構造、電池制御、電池材料の観点で習得できる。 特に、電池正極材料の安全性向上の技術を習得できる。
- リチウムイオン電池の高容量化と課題
- 各国のxEV規制動向
- 車載用電池の高容量化の現状と今後
- 高容量リチウムイオン電池の課題
- 高容量リチウムイオン電池パックの安全性向上
- 電池の安全保護方法
- 電池パック構造技術による安全性向上技術
- 電池制御技術による安全性向上技術
- 高容量リチウムイオン電池の安全性向上技術
- 電池熱暴走メカニズムと電池材料
- 電池安全技術 (負極、電解液、セパレータ、結着材)
- 熱安定な正極材料① (オリビン構造)
- 熱安定な正極材料② (オリビン混合系)
- 熱安定な正極材料③ (正極表面改質)
第4部 リチウムイオン電池の発熱反応と高容量・高出力化に向けた安全化技術
(2018年10月25日 15:20〜17:20)
リチウムイオン電池は、その優れた特徴により民生用分野において需要が拡大して おり、さらに、高エネルギー化、 高性能化の進展とともに各種電気自動車 (xEV) や電力貯蔵の基盤技術として社会イ ンフラ構築にも欠かせないものとなってきた。その一方、高エネルギー化に伴って、誤使用時など正常なプロセスから外れた場合に発熱や安全弁作動、さらには極めてまれなケースではあるが発火に至る事故が見られるようになった。リチウムイオン電池の応用分野が拡大するに伴い、電池の使用条件・ 使用環境は多岐にわたり、安全化技術の高度化がますます重要となっている。
本講演ではリチウムイオン電池の安全化技術という視点から、電池における種々の発熱要因、リチウムイオン電池材料・部品と 安全機構、電池内部の自己発熱反応メカニズムと安全化施策等について解説する。
- リチウムイオン電池の市場と課題
- 市場動向と開発課題
- 電池事故の状況
- リチウムイオン電池の発熱要因と安全化機構
- 電池内部の自己発熱反応
- 正・負極、電解液の発熱挙動
- 電池誤使用時の発熱要因
- 現行電池の主な安全機構
- 高容量化・高出力化に必須な安全化技術
- 過充電時の発熱反応解析と対策
- 過充電時の電圧変化・発熱挙動
- 過充電過程で発生するガス
- 過充電反応解析
- 過充電耐性の向上
- 内部短絡時の発熱反応解析
- 内部短絡が原因の事故例
- 内部短絡時の発熱挙動解析
- 内部短絡制御技術
- LTO (チタン酸リチウム) 系電池の安全化技術
- 今後の展望