スマホOSメーカーのInfotainment市場への参入、Deep Learningの自動車への搭載、そしてSAE Level 3の自動運転車がスマホ市場はここ2、3年、その成長に陰りが見える。その状況を打開すべく、カメラ機能・性能への期待が高まっている。携帯電話からスマホへの変遷の中、カメラは4つの世代を経て、一眼レフの画質を目指す「第5世代」に突入した。一方、Apple、Googleはいち早く市場の変化を察知し、2014年に車載機器市場に参入した。それは、Connected技術の普遍化を招き、安全性を追求するADAS機能と融合し、最近の急激なAI技術の進化も加わり、自動運転の実現が間近に迫っている。さらに、ADAS・自動運転と適合性が高いEVの普及を加速する350kW高速充電網の整備が欧州で始まり、自動運転の具現化は益々現実味を帯びてきた。ADAS・自動運転技術では、廉価、扱い易い、小型化が容易、高解像度、省電力、などの面からカメラがセンサの主役の座を得ており、市場規模拡大が確実である。とはいえ、自動運転車はIoTの一製品に過ぎない。カメラ機能を含むSensing技術・Viewing技術・システム構築の成果は、今後市場成長が期待されるIoT全般に広く波及するものである。
本講演では、スマホ用カメラの5つの世代で何が起こったのか、そこで開発された技術などが車載用にどのように展開されているのか、そしてその流れがIoTの本格化にどのように貢献できるのか解説する。
- カメラ機能が搭載される製品の市場動向
- カメラ機能が搭載される代表的製品と市場動向
- カメラ機能が搭載される主要製品のCY2011年〜2020年の成長率比較
- 携帯電話~スマホ、搭載カメラの5つの世代と市場動向
- スマホ、搭載カメラの市場動向
- 「携帯電話へのおまけ機能」から始まった第一世代カメラ
- スマホへの搭載、カメラの一種類と認識された第二世代
- Compact DSC市場を蚕食、第三世代「8MP」
- Magic Number”8MP”の履歴
- 搭載カメラの多画素化・高画質化・低背化技術の推移
- 「スマホの薄型化」実現に向け、静かにAMOLEDの採用拡大
- Image Sensorの新技術と共通性がある「次世代ディスプレイ技術」
- Dual CameraによるComputing Photography技術搭載、一眼レフ画質を目指した第四世代
- Multi Camera/ AI機能/ Interaction Design、一眼レフ凌駕を目指す第五世代
- 第五世代のKey Wordは「CASE」
- 自動運転を加速する自動車、搭載カメラの技術・市場動向
- ADAS, Telematicsの動向
- 350kW高速充電器設置開始、加速されるEV普及
- FCEVはEnergy internetとのリンクで「脱Galapagos」
- ADASの高度化、自動運転実現のためEthernetが車内LANの主流に
- 自動運転の分類、市場動向、中国の躍進
- ADAS機能を実現するカメラの数々
- 車載カメラの市場動向
- WLO採用による車載カメラの小型化技術
- 車載カメラに要求される課題を解決するイメージセンサの様々な機能
- Global Shutter/ HDR機能
- 車載用でDe facto化が進む0.005lx超高感度イメージセンサ
- 感度向上によりCell Sizeの縮小化が進む、カメラの小型化にも貢献
– 4 画像処理エンジンの高速化により高解像度・多画素品採用始まる
- FIRカメラを本格化させる素材・製法・仕様の低価格化技術
- 高感度NIR実現、ディスプレイと共通技術:有機CMOS、量子ドット
- 太陽電池技術「Black Silicon」のイメージセンサへの転用
- IIoT本格化に向けた業界動向、IoT製品のディスプレイの適正
- Home IoTの本命に躍り出たSmart Speaker (Advanced Interaction) 、カメラ搭載開始
- IoT社会に向けた半導体業界再編成
- AR/ VR/ MR市場拡大、HMD用カメラで重要となる機能
- IoT製品用ディスプレイの適正解像度とは
- IoT本格化を実現する「Trillion Sensor」、WLOカメラが最適
- おわりに
- IoT社会は、「カメラの普遍化が人工知能の進化を促す」現在版『Cambrian explosion』である