ポリマーアロイの作り方、相溶性向上、構造制御とその解析

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プログラム

第1部 ポリマーアロイの概要、相分離構造制御における基本的な考え方、高性能化について

(2018年11月5日 10:00〜11:30)

 高性能・高機能な高分子材料を得るためには混合・複合化が欠かせないことから、ポリマーアロイの重要性が増している。単純に混ぜるだけで性能が上がるほど単純ではなく、相分離構造が物性を支配していることから、その制御が中心課題となる。相溶性や相分離構造形成メカニズムといった構造制御を行う上で基本的な概念を説明し、それらの知見を基に目的の物性を得るために欠かせない構造制御技術の基礎について概説する。

  1. 相分離構造制御の重要性
    1. 相分離構造と材料物性 (実例と基本的概念)
      ~相分離サイズは小さければ良いのか~
    2. 分散粒子径の決定因子
      ~何が相分離サイズを決めているのか~
    3. ポリマーアロイにおける分散粒子の微細化
      ~微細化機構は~
    4. 相分離構造の安定性
      ~不安定化をもたらすものは~
  2. リアクティブブレンドにおける微細化・構造制御
    1. リアクティブブレンドにおける分散粒子の微細化機構
      ~共重合体の役割~
    2. リアクティブブレンドの界面の構造
      ~界面の構造解析~
    3. リアクティブブレンドと相分離構造
      ~反応制御による構造制御~
  3. 相図とそれを利用した構造制御
    1. ポリマーアロイの相図
      ~相溶性と構造形成との関係は~
    2. 反応誘起型相分解
      ~どのような機構で起こり、構造を制御するのか~
    3. 相図の圧力依存性
      ~どのような因子が影響するのか~
    4. 相図のせん断速度依存性
      ~どのような因子が影響するのか~

第2部 相溶化剤の特長とその使い方、相溶性向上について

(2018年11月5日 11:40〜12:50)

 異なる組成の固体 (各種ポリマー、木質粒子、無機粒子) をできるだけ均質に混合するには、相溶性とともに、界面での相互作用を積極的に活用することが必要である。 ここではポリオレフィンをベースにしたポリマー改質剤を紹介する。ガラス繊維やナノセルロースのカップリング剤として、ポリプロピレンなどとの結合を強化できる。またエポキシ樹脂とカーボン繊維への含浸性を向上させるプロセス添加剤についてもふれる。

  1. ポリオレフィン骨格のポリマー改質剤
    1. 骨格と変性構造
    2. グラフト化と特徴
    3. コンパウンドでの効果
    4. メカニズムと実験例
  2. 液状樹脂用プロセス添加剤の構造と機能

第3部 酸変性低分子量ポリオレフィンの使用例について

(2018年11月5日 13:40〜14:50)

 酸変性低分子量ポリオレフィン「ユーメックス」は、低粘度、高酸変性が特長であり、そのユニークな樹脂改質剤例 (相溶化剤、フィラー分散剤等) を中心に紹介する。

  1. 酸変性低分子量ポリオレフィンの構造と特性
  2. 酸変性低分子量ポリオレフィンの用途例について
    1. 樹脂用分散剤 (相溶化剤) として
    2. フィラー、木粉分散剤として
    3. 成形加工性 (流動性) 向上剤として
    4. 密着性向上剤として
    5. 軟化点向上剤とし

第4部 混練・分散技術によるポリマーアロイの 構造・物性制御

(2018年11月5日 15:00〜16:10)

 各種性能を付与するためのポリマーアロイの材料設計の考え方についての知識を得る。また、ポリマーアロイの構造制御方法を理解する。

  1. ポリマーアロイの構造制御
    1. 異種ポリマーの相溶性
    2. 相容化剤の影響
    3. 分散相粒子径に対する粘度、体積分率の影響
    4. 二軸押出機における条件の最適化 (温度・粘度・界面張力・粒径)
  2. リアクティブプロセッシングによるモルフォロジー制御および高機能化
    1. 非相溶ポリマーアロイの設計の考え方
    2. 海・島・湖構造と高機能化の考え方
    3. 反応性アロイ化剤によるリアクティブプロセッシング
    4. 生成コポリマーの解析によるモルフォロジー形成メカニズム解明
  3. 非相溶系ポリマーアロイの応用
    1. モルフォロジーの機械的物性・難燃性への影響
    2. フィラーの分散位置制御による機械的物性・難燃性改良
    3. 最近のポリマーアロイ開発事例

第5部 アロイした物の評価・解析、その応用について

(2018年11月5日 15:50〜17:00)

 ポリマーアロイ・ブレンドの基礎として、言葉の定義に始まり、一般的な特性評価方法の概説を行う。最後に基礎物性評価として、講師らの最近の研究例も交えて講演する。

  1. 定義と概説
    1. ポリマーアロイ、ブレンドの用語と定義
    2. ブロック共重合体
  2. ポリマーアロイ、ブレンドの相平衡と相分離
    1. 相溶性と相図
    2. 相分離と構造形成 2.3 界面
  3. ポリマーアロイ、ブレンドの構造解析
    1. 光学顕微鏡、電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡
    2. 散乱法 (X線、中性子、光)
    3. 磁気共鳴法 (NMR、ESR)
    4. 熱測定
    5. その他
  4. ポリマーアロイ、ブレンドの構造と基礎物性評価
    1. 相溶性ブレンドのガラス転移温度 (Self – concentration効果)
      • DSC測定
      • ESR測定による観察
    2. ブロック共重合体の相分離構造界面の分子運動性
      • ESR測定による解析
    3. 非対称性ABA’型トリブロック共重合体の相分離構造の特徴
      • 小角X線散乱
      • DSC測定による解析
    4. SAXS、SANS、POMによるブロック共重合体の相挙動解析
      • 小角X線散乱
      • 小角中性子散乱
      • 変更顕微鏡観察による解析

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