第1部 炭素繊維強化複合材料の課題と界面の重要性
(2018年11月7日 10:30〜12:00)
近年、自動車用CFRPの開発が進められる中で、熱可塑性樹脂を母材とした 炭素繊維強化熱可塑性樹脂 (CFRTP) への期待が高まっている。CFRPにおいて 炭素繊維と母材樹脂の界面接着力が、その力学物性を大きく左右する重要な因子となる。 特にCFRTPでは作製工程で化学反応を伴わないため、界面接着力の制御は非常に難しい。 本講座では、関連研究の最近の動向、炭素繊維やCFRPの基本から紹介するとともに、CFRP中における界面接着力の重要性について解説する.また、特に近年注目が高まるCFRTPに おける界面制御手法について自身の研究を踏まえて紹介する。
- 炭素繊維・CFRPの基本
- 炭素繊維とCFRPの歴史
- 炭素繊維の強さの由来
- CFRPの考え方と界面の重要性
- 炭素繊維・CFRPの研究開発動向
- 国内外で実施される関連研究開発動向
- 低価格炭素繊維への挑戦
- CFRPの高速成形を可能とする熱可塑性樹脂の適用
- CFRPのリサイクル技術
- 炭素繊維への表面・サイジング処理の現状
- CFRTP中における界面接着力の改善手法
- 熱可塑性樹脂を母材とする難しさ
- 新しい炭素繊維 – 樹脂界面接着力の改善手法
- CFRPのリサイクルと界面
第2部 炭素繊維および炭素繊維強化樹脂複合材料の界面制御
(2018年11月7日 12:45〜14:15)
炭素繊維強化複合材料の新たな力学・機能特性の発現には、繊維/樹脂/複合材 料等の様々なスケール (マルチスケール) に存在する界面をいかに利用・制御する かが重要な技術である。本講演では、炭素繊維強化複合材料における界面制御につ いての研究成果を概説する。
- 背景
- 目的
- 繊維側からのアプローチ
- ポリイミドコーティング
- カーボンナノチューブ析出
- 単繊維での引張試験結果
- 複合材料化
- 複合材料での引張試験結果
- 繊維側からのアプローチまとめ
- 樹脂側からのアプローチ
- ナノ粒子混入樹脂
- 作製
- 試験結果
- 破壊過程検討
- 層間樹脂フィルム挿入
- 作製
- 試験結果
- 破壊過程検討
- 樹脂側からのアプローチまとめ
- まとめ
第3部 CFRPの評価技術
(2018年11月7日 14:30〜16:00)
炭素繊維がCFRPになるまでに、どのような評価がなされているか、 および評価値の違いが何に影響するのか、分析事例を交えて紹介します。
- CFRPの機械特性
- CFRPの種類
- 機械特性の支配因子
- 炭素繊維の表面/界面
- 炭素繊維が出来るまで
- 炭素繊維の表面処理と評価
- 炭素繊維の樹脂密着性評価
- CFRPの層間
- CFRPの構造と層間
- 層間の強度
- 層間の靱性
- CAI
- CFRPのその他機械特性評価