リチウム二次電池のリアルタイム計測と評価ノウハウ

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会場 開催

本セミナーでは、リチウムイオン電池の内部挙動、充放電機構や劣化状態をリアルタイムで評価するときのポイントを解説いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 In situ電子線ホログラフィーによる電位分布解析と電子エネルギー損失分光法による状態解析

(2018年11月13日 10:30〜12:00)

 高性能な全固体電池開発への社会からの期待について述べ、開発をサポートする最新の透過電子顕微鏡 (TEM) 技術を解説する。特に、TEM内で全固体サンプル電池に電圧を印加しながら電子線ホログラフィーで電池内の電位分布を計測し、電子線エネルギー損失分光法でリチウム分布や他の元素の価数変化を求める研究などを紹介する。

  1. 全固体型電池の概要
    1. 固体電解質と全固体型電池
    2. 全固体電池の性能と課題
  2. 透過型電子顕微鏡の基本原理と構造
  3. 最先端の透過型電子顕微鏡技術と解析事例
    1. 走査透過電子顕微鏡 (STEM)
      • 走査透過電子顕微鏡 (STEM) の基礎と収差補正装置
      • 環状暗視野法 (ADF法) と環状明視野法 (ABF)
      • リチウム原子列直視
    2. In situ電子線ホログラフィー
      • 電子線ホログラフィーの基礎
      • 大気暴露せずにTEM試料を作製する技術
      • ホログラフィー電子顕微鏡内で電池に充放電させる技術
      • 試料周辺の漏れ電場を考慮したシミュレーション技術
      • 固体電解質内の電位分布解析
    3. エネルギー損失分光法 (EELS)
      • エネルギー損失分光法 (EELS) の基礎
      • 位置分解エネルギー損失分光法の原理と装置
      • その場形成負極のリチウム分布解析および他の元素の価数分布解析
  4. まとめと将来のための新しい透過電子顕微鏡技術

第2部 リチウムイオン二次電池のin situ軟X線XAFS解析技術

(2018年11月13日 12:45〜14:45)

  1. LIBのin situ硬X線吸収分光 (XAS) 測定
  2. XASの解釈について
  3. 次世代LIB材料開発
  4. LIBのin situ軟X線XAS測定
  5. in situ軟X線XAS用電気化学セル
  6. LiFePO4合材正極中リン原子の充電挙動
    1. keV以下のin situ軟X線XAS測定
  7. FEC添加剤の被膜形成過程 & X線ダメージ
  8. まとめ

第3部 リチウムイオン電池のリアルタイム分析技術と金属Li析出、電池内反応の計測

(2018年11月13日 15:00〜16:30)

 リチウムイオン電池の「安全性」に対し、内部短絡による発熱・発火は大きな問題となる。内部短絡を引き起こす要因の一つとして、電池内部におけるリチウム (Li) 金属の析出がある。Li金属は針状/樹枝状の形態で電極上に析出し、有効なLiを消費して電池容量や出力特性を低下させ、電池内で成長すれば正負極の短絡を引き起こす。これらの理由から、Li析出の抑制は重要な課題であり、メカニズム解明のため種々の析出過程をとらえる試みがなされている。一方、リチウムイオン電池は多種多様な部材で構成されている。それら個々の材料特性が相互作用し、電池特性やLi析出といった現象となって現れるため、個別にLi析出のみを追求しても本質を捉えることは難しい。本稿では、ラミネートセルの充放電リアルタイム断面観察を行うことで、電極が電池として充放電反応する瞬間を実際に見て、金属Li析出および電池内反応の様子を計測した結果を紹介する。

  1. 測定の原理
  2. 観察方法
  3. 金属Li析出の観察
  4. Li析出を引き起こす電池内反応
  5. Li偏在の発生
  6. 正極反応を見る

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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受講料

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