本セミナーでは、リチウムイオン電池の内部挙動、充放電機構や劣化状態をリアルタイムで評価するときのポイントを解説いたします。
(2018年11月13日 10:30〜12:00)
高性能な全固体電池開発への社会からの期待について述べ、開発をサポートする最新の透過電子顕微鏡 (TEM) 技術を解説する。特に、TEM内で全固体サンプル電池に電圧を印加しながら電子線ホログラフィーで電池内の電位分布を計測し、電子線エネルギー損失分光法でリチウム分布や他の元素の価数変化を求める研究などを紹介する。
(2018年11月13日 12:45〜14:45)
(2018年11月13日 15:00〜16:30)
リチウムイオン電池の「安全性」に対し、内部短絡による発熱・発火は大きな問題となる。内部短絡を引き起こす要因の一つとして、電池内部におけるリチウム (Li) 金属の析出がある。Li金属は針状/樹枝状の形態で電極上に析出し、有効なLiを消費して電池容量や出力特性を低下させ、電池内で成長すれば正負極の短絡を引き起こす。これらの理由から、Li析出の抑制は重要な課題であり、メカニズム解明のため種々の析出過程をとらえる試みがなされている。一方、リチウムイオン電池は多種多様な部材で構成されている。それら個々の材料特性が相互作用し、電池特性やLi析出といった現象となって現れるため、個別にLi析出のみを追求しても本質を捉えることは難しい。本稿では、ラミネートセルの充放電リアルタイム断面観察を行うことで、電極が電池として充放電反応する瞬間を実際に見て、金属Li析出および電池内反応の様子を計測した結果を紹介する。