- IMT-2020の概要から最新標準化動向まで -
(2018年10月16日 10:20〜12:00)
2020年のサービス開始を目指し、IMT-2020 (5G携帯電話網) の標準化が3GPP、ITU-R中心に進められ、国内外の移動通信事業者や無線通信機器ベンダによる技術開発が活発化している。 IMT-2020は、一世代前の4G (LTE-Advanced) に比べて10倍以上の超高速通信 (4K/8K動画配信、VR/AR等) に加え、これまでにない低遅延・高信頼 (車の自動運転支援やロボット制御、プラント・工場における異常通知等) 通信、および多数同時接続 (センサやデバイスを対象としたIoT対応、LPWA対抗) の3種類のサービスの実現を目指している。このため、高速大容量化のための新しい周波数利用率向上、周波数帯域の拡大、高密度化の各方式に加え、多様なサービス提供に対応するためのネットワーク仮想化 (NFV/SDN、ネットワークスライシング) 、MEC (Mobile Edge Computing) 等のシステム技術やIoT向けの低周波低消費電力化技術等を新たに開発、導入する。 本講演では、1970年代末に開始された1Gから5Gまでの40年間の携帯電話網の変遷を述べた後、2018年6月に発行された3GPP リリース15に盛り込まれた5Gの最新標準仕様を含め、5Gで実現される新技術、新サービスの概要と最新動向、将来展望を解説する。
- 高速化対応で照準はチップから接続回路へ -
(2018年10月16日 12:50〜14:10)
半導体は高速化要求に対応し続けている。最近も、携帯機器 (例;スマートフォン) の5G対応が話題となっている。半導体は伝送速度の遅い電気信号を用いるため、その伝送距離を短縮することが高速化の条件となる。現在、半導体はCSP化が進み、検討対象はチップ内からチップ間へと変わっている。つまり、接続回路 (例;子基板、再配線) の短縮化に移っている。今後の高速化には、接続回路の薄層化=短距離化が欠かせない状況となっている。今回、5G対応の一環として、コアレス子基板や再配線に関する開発状況および課題等を解説する。
- ミリ波対応の設計から評価まで -
(2018年10月16日 14:25〜15:45)
情報通信分野においてIoT:Internet of Thingsが進展し, 第5世代の通信技術5Gと結合しようとしている。使われる周波数は、3.7GHz, 4.5GHz、28GHzで ”ミリ波” である。自動車の自動走行や衝突防止は移動革命実現の中核技術であり、それらの誤動作を防ぐ ”電波吸収体及び電波シールド”は必須である。今までTVゴースト (~800MHz) や船舶レーダーの橋体による偽像 (700MHz~26GHz) 対策に、近年は、無線LAN (2~60GHz) 、携帯電話 (800MHz~2GHz) 、blue tooth (2.4GHz) 、電力線通信 (~2GHz) 、実用化したETC (自動料金支払いシステム、5.8GHz) やITS (高度道路交通システム、~76GHz) の使用電磁波は ”ミリ波” が主である。これらの電波障害対策に、そして5Gの完全な実現のために”近傍界及び遠方界”を考慮した電波吸収体及び、電波シールド技術が必要とされる。 本報告では、電波伝搬の基礎からITSまで、遠方界・近傍界用電波吸収体・シールドの設計、評価を総合的に報告する。
(2018年10月16日 16:00〜17:00)
2020年のサービス開始に向けて各所で着々と準備が進められている5G。超高速通信のみならず、超低遅延、多数同時接続などの特長を有することから、様々な用途への利用が期待されています。一方で、それらを実現するためには、ミリ波の活用や効率的な周波数利用、IoT用途での省電力化など解決すべき技術的課題が多々あることも事実です。本講演では、機器開発観点での課題と課題解決に導く評価手法についてご説明いたします。