本セミナーでは、高分子の構造、塩溶解メカニズム、イオン輸送現象、高次構造の影響、イオン伝導度の測定技術など固体高分子型電解質(SPE)の基礎から、実用化に向けた問題点や今後の課題について解説いたします。
固体高分子電解質 (SPE) は、ポリエーテルなどの極性高分子と塩 (イオン源) から構成される新しい電解質材料である。これまでの電解質材料は、有機溶媒や無機系固体が主流であった。SPEは、液体などの漏洩が無く、かつ高分子特有の柔軟性を活かすことができる。このような特徴は、デバイスの軽量化や薄膜化につながるため、次世代イオニクス材料として近年改めて注目されはじめている。 本講演では、SPEの基礎 (高分子の構造、塩溶解メカニズム、イオン輸送現象、高次構造の影響など) を解説し、実用化に向けた問題点や今後の課題について述べる。さらにSPEに関連する最新研究動向についても紹介し、新規固体電解質材料としての応用の可能性について考察する。