わかりやすいデリバティブ理論と実務の本として著名な『デリバティブのすべて』 (日本実業出版社) の著者の田渕直也氏から、 デリバティブとリスク管理の基本からその応用への流れをExcelを活用しながら実践に役立つよう解説してもらいます。
1日目は、フォワード、スワップなどデリバティブ・キャッシュフローの評価、ブラック・ショールズ・モデルやモンテカルロ・シミュレーションを用いた オプションのプライシングなど、基礎的な概念から実践的な計算方法まで幅広く解説していきます。
2日目は、デリバティブ取引に伴うマーケットリスク、カウンターパーティ・クレジットリスク (CVAリスクを含む) の管理方法を取り上げるとともに、 OISディスカウントとマルチカーブ構築について解説します。また、バーゼル規制強化、マイナス金利の影響など、最新の動向についても織り込んだ内容となっています。
デリバティブ評価とリスク管理の基本と応用の計算がExcelでできるようになることを目指します。
第1回 入門編
- デリバティブの基本
- デリバティブの全体像
- フォワード取引、スワップ取引
- クレジット・デリバティブ
- オプション取引と様々な仕組み商品
- フォワード/スワップ価格評価
- アービトラージ・フリーの原則とキャッシュフローの評価
- フォワードレートの計算とその意味
- キャッシュフローの変換
- 通貨スワップの計算
- CDSとデフォルト確率
- マイナス金利とスワップ評価上の課題
- オプション評価の理論
- オプションの価格計算の考え方
- GBM (幾何ブラウン運動) と対数正規分布
- ブラック=ショールズ・モデル
- 金利オプションの評価
- 解析解と数値計算
- モンテカルロ・シミュレーションによる数値計算
- マイナス金利とオプション評価の実際
- 仕組債の組成
第2回 応用編
- センシティビティによるリスク計測とヘッジ
- センシティビティによるリスク計測とヘッジの考え方
- オプションのリスク
- エキゾチック商品のリスクヘッジ
- マーケットリスク管理
- 分散共分散法による市場VaRの計測
- VaR計測手法の比較
- VaRと期待ショートフォールの限界とリスク管理の高度化
- カウンターパーティ・クレジットリスクの管理
- OTCデリバティブにおけるカウンターパーティ・クレジットリスク
- CVAの計測とCVAリスクのヘッジ
- 信用リスク削減手段とCCPへの清算集中、証拠金規制
- 信用VaRの計測手法、バシチェック・フォーミュラとクレジット・メトリクス
- 格付遷移行列とモンテカルロ・シミュレーションによる信用VaR計算の実際
- OISディスカウントとマルチカーブの構築
- 担保の存在がデリバティブの価格を変える
- OISディスカウントのポイント
- ベーシスを考慮した評価体系
- マルチカーブの構築