第1部『継続使用を促すための使用感の解析とマーケティング視点による官能評価の活用』
(2018年10月22日 10:30〜13:00)
スキンケア化粧品の効果は継続使用によって始めて得られることから、継続使用を促す使用感はスキンケアの生命線ともいえる重要な特性です。一方、化粧品は嗜好品であり、多くの感性価値のハーモニーによってお客さまの嗜好に応えており、そのハーモニーの中心が使用感でもあります。まさに、使用感は効果と嗜好を支えるスキンケア化粧品の中心的な価値であり、使用感を記述や議論に導くツールである創造型官能評価は使用感の向上に必須であり、より効果的な戦略的活用が望まれます。
本講座では、スキンケア化粧品の使用感の特性、価値から紐解き、記述法もしくは議論のツールである創造型官能評価の構築から実際的な活用を実例をあげて解説します。
- 化粧品の使用感
- 化粧品の定義と継続使用の三段論法
- 継続使用を促す使用感の価値の考察
- 化粧品の感性価値の構造
- 商品の価値構造と感性価値
- 商品における感性価値の考察
- 感性価値による商品価値の支援と感性価値優位商品
- 化粧品の使用感の考察と記述法
- 化粧品九層倍をめざす感性価値による価値構成
- 使用感の意味・価値の再考
- 連用を促す → 化粧品の効果を高めるための機能
- コミュニケーション → 使用感そのものが価値
- しっとり感よりのび → 長いこと使い込んだ人がわかる価値
- 使用感や心地よさの記述、検討の方法
- 創造的官能評価の超促成入門
- 科学的測定法としての官能評価
- 感性価値づくりに欠かせない創造的官能評価
- 感性価値の定量化、視覚化を実現するQDA
- 創造的官能評価の担い手QDA
- 客観的な記述としての定量化
- 検討や議論の強力なツールとなる視覚化
- 創造的QDAの作成法
- 使用感や心地よさの向上をめざした官能評価の活用
- 他の市場におけるQDAの活用法
- 設計の場での活用による使用感の心地よさの向上
- 継続使用につながるお客さまの支持する使用感の把握
- 使用感の商品設計への反映
- 訴求、および既存商品や「できちゃった商品」の情報再開発
- 官能空間上での使用感と心地よさの時系列考察
第2部 ターゲットや製品に応じた賦香と商品差別化への取り組み
~年代・性別・環境の違いなどにおける「好まれる香り」と競合製品との差別化事例~
(2018年10月22日 14:00〜16:30)
商品開発時の要素の一つ「香り」をテーマに取り上げ、具体的な賦香実例を演者の経験を交えて紹介する。
香りで商品差別化を図るポイントとは?香りにおける感じ方と個人差をふまえた評価や、人種・年齢層などによる各特徴をふまえた好まれる香り、香りにおける付加価値の付け方とは?
具体的な賦香実例を演者の経験を交えて紹介しながら、実戦に向けてのヒット商品開発に繋がる賦香 (香り) 開発の一助とする。
- 香りを感じさせる前に
- 香りの表現 (分類表現)
- 香りの構成表現
- 香料の安全性について
- 香りの場合高級感を感じる個人差が大きい
- 高級感の香りとは。
- 個人 (顧客) の体験、興味、価値観による高級感のイメージの差異
- どのような香りが高級感を表現できるのか
- 年齢層による高級感の違い
- 柑橘系の香り (オレンジ・レモン・シシリー産レモン)
- フルーツの香り
- 香水の支持率
- 香りにおける、人種性による食文化の違い
- 香り・ニオイに関する意識調査
- 実際の賦香に見る化粧品の香り
- 最近の注目される化粧品の賦香例
- 天然由来化粧品の実際の賦香
- 天然由来化粧品の香りの注意点
- フレグランス、アロマテラピー、ポプリの違いと共通性
- 注目される天然由来化粧品の香り
- 天然由来化粧品の香りの特徴と分類
- 天然由来化粧品の香りと実例
- 香りそのものではなく、素材に付加価値を持たせる
- 香りに見る最近の社会現象
- 質疑応答・名刺交換