近年、オートモーティブ材料として、リチウムイオン電池、燃料電池はもちろんのこと、車体軽量化のためのコンポジット材料やエレクトロニクスなど、多種多様な分散系に関係する材料開発が盛んに進められている。多くの製品は、いずれもスラリーやペーストを経由して製品が作られることが多いにも関わらず、高濃度のまま評価されていないことが多い。
本講では、分散性・分散安定性の定義など基礎的事項を簡単に説明したあと、実用プロセスで遭遇したトラブルに対してどのような解決法・解析法を採用すれば良いのか、について具体的な手法を紹介する。また、分散性で良く問題となる粒子の濡れ性について、ハンセン溶解度パラメータを用いて実験的にパラメータ化する手法についても紹介する。
- 実用分散系材料開発で良く遭遇するトラブル
- 製品の不具合は凝集粒子の混入が原因?何を評価すれば良いのでしょうか?
- 1次粒子と凝集粒子の評価 – スラリーの希釈と評価方法における注意点 -
- 分散性と分散安定性は評価法が違うのですか?
- ゼータ電位の測定値が大きかったのに粒子が沈降します。測定手順の間違い?
- 有機溶媒中でのゼータ電位の測定はどうすれば良いのですか?
- スラリーを塗布すると差があるのに粒度分布に差がありませんが、なぜですか?
- 懸濁液を静置しておくと差があるのに電気泳動速度やゼータ電位は同じです。なぜ?
- 分散性を濃厚系のまま薄めずに測定する方法はありますか?
- ペーストを調製した後、日にちが経つと粘度が上がるのですがなぜですか?
- 1.9の場合、薄めて粒子径を測るとほぼ同じでした。粘度に粒子径は関係しない?
- 上記トラブルや説明ができない理由のまとめ
- 分散性・分散安定性の直接評価法 – 高濃度スラリーを希釈せずに評価する必要性 -
- 遠心沈降分析法による評価 (スクリーニングおよび品質管理法として最適)
- 遠心沈降分析法の原理 – 古くて新しい遠心沈降分析法;蛋白から微粒子まで -
- 遠心沈降分析法を用いた分散性評価
- 分散安定性の見える化
- 沈降速度の評価
- ポットライフの見積りと実例
- 粒子圧密過程の評価と凝集粒子の検出法
- 超音波スペクトロスコピーによる評価 (原因究明に最適)
- 超音波スペクトロスコピーの原理 – 固体粒子から高分子、イオンまでが対象 -
- 超音波スペクトロスコピーを用いた分散性 (微粒子化過程) 評価と分散状態
- 濃厚分散系の粒度分布評価方法とその実用例の紹介
- 分散安定性の間接評価法としての粒子界面特性 (ゼータ電位) 評価方法
- 電気泳動光散乱 (ELS) 法による評価
- 電気泳動光散乱 (ELS) 法の原理
- 電気泳動光散乱 (ELS) 法を用いたゼータ電位評価
- 超音波スペクトロスコピーによる評価
- 超音波スペクトロスコピーの原理
- 超音波スペクトロスコピーを用いたゼータ電位評価
- 分散性の間接評価法としての粒子界面特性 (ハンセン溶解度パラメータ) 評価方法
- 遠心沈降分析法による評価
- 遠心沈降分析法の原理 – 古くて新しい遠心沈降分析法 – 復習を兼ねて
- 沈降挙動から評価する粒子の濡れ性およびHansen Dispersibility Parameter評価
- パルスNMR法による評価
- パルスNMR法の原理 – NMRで何を測って、何が分かるの? -
- パルスNMR法による粒子の濡れ性とHansen Dispersibility Parameter評価